Series/mix-b
□一蓮托生
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「…数が多いな」
「どうする?人を助けるのが最優先だとは思うけど…」
この量は、ね。と言葉を濁しながらも危害を加え続ける悪魔を倒していく。悪魔は人間がたくさんいるのに興奮してか、楽しそうに地を這いずり回る。その時、灰色のまどが開いた。
「お前らは本当に懲りないのだな。人間界を支配下に置くのがわたしの夢であるというのに…」
人間の悲鳴を楽しそうに聞きながら、現れた。奴は―手は潰れ、目はぎらつき、胸では蛇が牙をむき出しのたくりまわり、荒れた肌には血が滲んでいる。―魔将、ロード・ロス。
「カーネル、まどあけといて」
「ああ、分かってる」
危険を察知した私達は小さく言葉を交わし、いまだ人間を襲い楽しむ悪魔をさらに倒していく。ロード・ロスは嫌な笑みを浮かべながらこっちを見ている。まるで楽しむかのように。私は小さく舌打をして、少し離れたところに開いている緑色のまどを壊した。いつもならばそこで大気を漂う魔力がなくなり悪魔は死ぬのだが、今はロード・ロスがあけた灰色のまどが残っている。あれを壊さない限り、悪魔は人間を襲い楽しむのだろう。カーネルを見れば、まどの完成は間近だ。これなら、いける。私を取り囲むようにして集まってきた悪魔をなぎ倒し、ロード・ロスの元へ向かう。ロード・ロスは私を視界に入れて、悲しそうに言った。
「運命とは残酷なものだ。わたしにはお前の悲しき運命が見えてしまった」
「…あっそ」
ロード・ロスが放った言葉をあしらって、奴の背後にあった灰色のまどを崩した。悪魔たちが悲しそうに叫ぶ。もうすでに魔力はつき始めていた。ロード・ロスは色々と特殊だからこれくらいなんでもない。にやりと笑ってゆらりと消えた。魔力がなくなった悪魔たちは1人でも多くの人間を殺してやろうと躍起になっている。弱まった悪魔を殺してやりたいのも山々だが、私にも魔力はない。デモナータに、帰ろう。
「こっちだ!」
カーネルのまどに飛び込む。広がったのはデモナータの世界だ。
「生きてる?」
「生きてるよ」
「ロード・ロスが言うには私の運命って残酷らしいわよ」
小さく笑いながら言えばカーネルが言う。
「俺はお前のその残酷な運命とやらに、最後まで付き合ってやるよ」
一蓮托生
■反省会
急速に書き上げたものなので誤字脱字がすごいと思われますな。
お粗末さまでした。
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