Real KINBAKU 『麻縄』
□テレクラ「麻衣」
1ページ/5ページ
麻衣はテレクラで緊縛モデルの話を持ちかけた最初の女の子。
割り切り希望であったが、それを切り出すまで何となくもじもじした感じが受話器越しに受け取れたので、縛ることを条件に誘ってみた。
さすがに最初の一言は「えっ」だった。
そりゃそうだろう。見ず知らずの男に「縛らせてくれ」と言われて「いいですよ」と即答する女の子など、よほどの緊縛好きでもなければ有り得ない(笑)
が、麻衣はそこまでの私との会話の中で、そんなに私に対して警戒心を持たなかったらしい。
あとで逢って話した時も「私の口調が優しそうだったから少し安心して話せた」と言っていた。
麻衣は悩んでも暫く無言状態となったが、
「痛くないですか?」
と訊いてきた。
私が「痛みを与えるために縛るのではない」と説明すると少し安心したようで、
「縛られたことあるので大丈夫です」
と返事を返してくれた。
「何か不安なことはある?」
と尋ねると
「顔は殴らないですよね?」
と怯えた口調で訊いてきた。
麻衣は一体どんな経験をしてきたのだろうか?どんな男と付き合ってきたのか、そう考えるといたたまれない気持ちになってしまった。
「殴るなんて暴力しないよ。暴力はSMじゃない。」
そう優しく答えると
「良かった」
と緊張がほぐれたように明るい声で麻衣が返事をした。
待ち合わせ場所を決めて、待ち合わせ場所へ移動。先に私が着いていたが、麻衣は約束通りにその場所へやってきた。