Fancy
思い付き。
ネタやら、なんやら。続かない倉庫。
◆no title
長州、吉田栄太郎成り代わり。性別不明。滅茶苦茶勘違い。場合によっては衆道に見えるのでご注意。
▽土方side
はらり、はらり。
桜が舞う季節。
視界に入るのは、散った桜の花弁。
その一端に写った草履に、ふと、笑う。
見なくても分かる。紅の番笠を肩に流し乍、此方を見る玲瓏たる姿をもった掛け替えの無い存在、逃げを打とうとする自らに嗤う。もっとも、身体はもはや機能しちゃくれねぇが。
「あぁ…、久しぶり。」
「吉田…手前が迎えとはな。」
鬼の副長が、長州の奴と友人、いや…長州の枢に懸想していたなどあいつらが知ったら、どう思うだろうか。何故だか滑稽な話に思えてくる。
「随分と、やられた、ね。」
「しゃあねぇだろうが…」
つ、と頬を伝う手にぴくりと、身体が脈打った感じがする、可笑しな話だ。あれだけの銃弾を食らって既に痛覚すらもないというのに。食らってなくても、あれの副作用で、もう永くはなかったのに、奴のする事だけは然りと感じれた。
「…ねぇ、」
「…‥‥」
「君はさ、結局、鬼にはなりきれなかった。」
甘いよ、なんて言われたら、ぐぅ、の音もでない。
それでも、ずっと望んでた。
「だから、まだ、成し得なきゃいけないことがある。」
「は?」
「笑えるね、あれだけ憎んでいた奴のに、さ。」
ぐ、と肩を掴まれ押される。視界が地から天へと変わり、同時に写る、何も変わってない傾城の貌、
「土方、俺はお前が嫌いだ。だから、来て貰っちゃこまるんだよ。」
「ば、ばか待て!」
無性に嫌な予感がした。俺は、と続けて紡ごうとした声は、唇が触れた感触で遮られる。遠退く意識。いや、違う、意識が浮上しているのだ。
「待て、」
「土方、礼を言うよ」
生きろ。音もなく、紡がれた言葉に目を見開くのを最後に、視界は途切れた。
あいつの悲痛を堪えた表情を、最後に。
※夢主生きてます。
2012/01/05(Thu) 13:54
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