待ち人来たりて

待てども待てども、
貴方は来ない。

道往く人々に、
貴方の面影を探し。

道行く人々に、
貴方の事を尋ねる。

返ってくるのは、
変わらない一つの返事。

どんなに貴方を求めても、
貴方は私の先をゆく。

伸ばした手は、
無駄に貴方を傷つけ、

掛けた声に返るのは
貴方の幻影。

見たこともない、
貴方の笑みに恋い焦がれ。

優しき貴方と笑う自分。

夢だと解っているのに、
抜け出せない。

優しき貴方が
傍に居てくれるから。

       『ルーチェ独白』

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