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□薬
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狼猫
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「セブルス。君ってさ、結構お人好しだよね」
「…ルーピン教授、言っている意味が分からないのだが?そしてそれを飲んだらさっさと我が輩の部屋から退出願いたい」
今まさにスネイプが作った脱狼薬を持ったルーピンはにこにこといつもの笑顔のままそう言ってきた
「だってそうでしょ?こんな僕の為に薬作ってくれてるし」
「それは校長からそう命じられているだけだ、作りたくて作っているわけじゃない」
そう言ってスネイプは薬棚の方へ行ってしまった
この話はもう終わりだと言いたげに、もうルーピンを見てはいない
「それでもさ、学生時代黙っててくれたでしょ?僕のこと…。すごく嬉しかったんだよ?それもダンブルドア校長に頼まれてのことでもね……それにね」
「…!!!!?」
ルーピンはそっとスネイプに近寄るとその細い腕を掴み
、自分の方に向かせ、顔を近づけそっと触れるだけのキスをした
「こんな僕のこと好きになってくれたでしょ、好きだよ?セブルス」
「うるさい……いいからさっさと薬を飲め馬鹿者…」
さっきまでルーピンが持っていた脱狼薬はすぐそばにあるローテーブルの上に置きっぱなしになっている
「だって不味いんだもんアレ……
ねぇ、アレ飲んだら君からご褒美頂戴?」
ルーピンはスネイプの身体をぎゅうぎゅう抱きしめてそんなことを言う
飲まないといけないのはわかってるし、きちんと飲むつもりだ、でも今はルーピンが言ったことを否定しなかったスネイプに甘えたかった
「子供か馬鹿……おい、リーマス」
「へっ…!?」
突然の名前呼びに驚いて顔を上げるとスネイプの顔のどアップ…そして
スネイプからの暖かなキスが送られた
「これでいいだろ、さっさと飲め!」
真っ赤な顔でそっぽを向くスネイプの顔
可愛くって可愛くってしょうがない
もっともっと力いっぱい抱きしめて
「それは反則だよ……ねぇ、セブ?今日は君を頂戴、大好きだよ」
「………好きにしろ…ぼ、僕だって………だから」
なんだか今日の薬は少しだけ甘ったるい味がしました
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