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□言えなかった詞
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僕は貴方のことが大嫌いです(大好きになりたかった)


僕には貴方しかいなかったから(貴方しかいらなかった)

僕を見てはくれないあの人はいつも誰かを思っている(本当は僕を見て欲しかった)



ただあの人のいいなり人形(あの人が喜んでくれるならそれでも良かった)


でもあの人はどんなに頑張っても僕を見てはくれなかった…

それどころか僕の大事な者を壊せと…僕の心を無視して魂の使命を全うしろと


それしか言ってはくれない…
だから…



僕の大嫌いな白梟

…さようなら



僕の大好きな白梟

貴方の大切な世界を
僕は救えません…



ごめんなさい…白梟…




花白に刺された白梟がうっすらと笑みを溢した…


「そう、やって…、玄冬も…殺しなさい」
「……」

「この、箱庭を…救う為に。この箱庭に光が満ち溢れる様に…」

「…貴方は、本当にそれしか言ってくれないね」


「他に、何があるというのですか?」

「……」

「私は、その為に、貴方を、…貴方を…………」



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