Book
□願うということ
2ページ/3ページ
「どういうことだ!黒鷹」
記憶をたどりあの郡の山奥に行くと、記憶通りの風景が広がっていて
過去に自分の育ての親で守護の鳥でもあった黒鷹の姿もあった
違うのは自分が“玄冬”ではないということだけ…
「そういうことだよ、君はもう…“玄冬”じゃない」
「それは分かる!俺が聞きたいのは、どうして花白が“玄冬”なんだ!」
「……花白ではないよ…正確には…」
今、この世界には同じ魂を持って生まれた子供がいる…
片方は“救世主”として
そしてもう片方は“玄冬”として
「それを望んだからだよ…あの子供が、自分が“玄冬”になることを望んだから
だから、今“玄冬”はあの子供のことだ…」
.