ドラゴン*アスタリスク‐anc‐
□‐プロローグ‐
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[プロローグ]
地球の誕生から2億年の時が流れた頃。
無数の彗星の降る中、この惑星の生命の進化と繁栄と絶滅の理(ことわり)をおさめるため、地球で初めての生物が誕生した。
彗星と、地球の万物エネルギーのあらゆる力を得て、その生物は、進化をせずとも生まれたその瞬間から完全であった。
それこそが
『竜』であった。
竜は、地球のあらゆる災害や気候の変化、大陸大移動による地殻変動の猛威を受け付けず、地球や宇宙のエネルギーと対等の力を持っていた。
竜が誕生して20億年後。
他の生命体が生まれ始め、種を増やし生物達は進化と絶滅を繰り返した。
竜以外の生物は絶大な地球の災害や猛威の前に、振り回され続ける一生であった。
竜は嘆いた。
「我々だけが、常に生き残っている。
それは、母なる地球に逆らっていることではないのか?」と。
竜は、竜だけが生き残る事に、恐れを感じ始めた。
そして、竜は決心した。
優しい母なる地球と対する
“荒ぶる父”
の姿を消そうと。
それはすなわち、地球そのものを変えてしまうという事であった。
竜は地球と戦った。
それは、5000年間にもおよぶ戦いであった。
戦いは、竜の勝利であった。
地球からは“荒ぶる父”の姿は消え、この星に災害や自然の猛威は無くなった。
しかし、この戦いで竜もたくさんの被害を受けた。
数体の竜と、五体の力ある竜以外はすべて滅んだのである。
そして、他の生物達は、生き残った竜の中でも最も力のあった五体の竜を、地球の生命の進化と繁栄を守りし竜『五賢竜』と呼んだ。
――時代は流れ――――
70億年後…
人類と竜の中心から 物語は始まる――