ブレーメン!

□3.ゴンドワナ
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爆発音がしたのは確か中央棟。
記憶を頼りにブレーメンは現場に向かう。

やがて一行は中央棟のレストランエリアに辿り着いた。
ーーそこに立ちはだかるものがいた。

「ごきげんよう、怪盗ブレーメン」

立ちはだかる3つの姿。
その筆頭と思われる女がニヤリとほくそ笑む。

「・・・怪盗サンドリヨンか」

ユーゴーが呟く。
名を呼ばれ、筆頭の女がフフッと鼻を鳴らす。
女は露出の多い面妖な衣装を身に纏って右目だけが隠れる仮面を装着している。その衣装は毒蛾の模様のようにも見えて、アヴリルとマリリンは少し怖気付いてしまった。

開放感のある大窓から博物館の大庭園望めるレストラン構造になっていて、その大きな窓から太陽光が差し込む。
いつの間にか朝が訪れていたのだ。

朝日を受け、女の毒蛾のような妖気を含んだマゼンタの瞳が少しばかり細められた。
シルバーグレーの髪が風に煽られサラリと揺れる。

女の双璧を成しているのか、赤いローブとマント、三角帽子を被った金髪の少年がこちらを見据え、ノーブルハットを被った黒髪の男が無表情な眼差しを向けていた。

マリリンは番犬のように、アヴリルは野良猫のように、ガルルル・・・とサンドリヨンを威嚇する。

「あら怖いこと。ペットの躾はきちんとしなければ。うちのウサギちゃんと蝙蝠男みたいにね」

ブレーメンの年少2人を見下す女。
その横では女の言葉通り少年も男も黙しているだけ。

「うちの子達はパフォーマンス豊かなんだよ。あんたんとこののっぺらぼうと違ってよ。
そんな事より、あの爆発は何の真似だ。俺たちの邪魔しに来たのか?それとも5大でも盗みに来たか?残念だったな、あれは偽物だ」

ユーゴーが戯けて答える。
すると、サンドリヨンの女は機嫌を悪くしたのか一瞬険しい顔をした。
だが、すぐにまた艶やかな笑みをたたえた。

「ここにあるのが偽物である事は知っている。馬鹿な人間と一緒にするな。
・・・そう、邪魔にしに来たのよ怪盗ブレーメン。
この街を怪盗サンドリヨンの新しい縄張りにするためにーー」

〜つづく〜
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