そんな馬鹿な
□#09 (お早う御座います)
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朝、カーテンの隙間からもれる眩しい光で目が覚めた。
ゆっくり身体を起こして、一つの違和感に気付く。
(…此処だけ布団がもっさりしてますね)
自分の隣が、小さな山の様になっていた。
「……」
そっと布団をめくってみる。
「?!」
其処には、すやすやと気持ち良さそうに寝息をたてて
まるで猫の様に丸まって寝ている彩さんが居た。
(……まだ、眠っている様だな)
自分の頬を少し抓ってみる。
………痛い。 微かだが痛みを感じた。
どうやら夢では無いらしい。
(夜中トイレに行った帰りに寝ぼけて入ったか、
寝込みを襲いに来たか……)
彩さんの事なので、きっと前者であるに違いない。
「取り敢えず、起こしますか…」
ゆさゆさ。
ゆさゆさ。
「彩さん、朝ですよ。
起きて下さい」
ゆさゆさ。
ゆさゆさゆさ。
「彩さん、」
ゆっさゆっさ。
………全く起きる気配が無い。
「…仕方ありませんね☆」
ギュッ
「………」
『んん〜……』
「………」
『うぅ……』
「………」
『っ?!! ゲホッゲホッ!!』
あ、起きましたね。
「お早う御座います、彩さん☆」
『ぉ、おはようござ、え?!
な…何でメフィストさんが此処に?!!
というか、さっき 私の鼻と口塞いで息出来なく、ゴホッ!!』
「いえ、中々起きなかったものですからね☆」
『だからって、ゲッホ!!』
「これはこれは、素晴らしい朝の目覚めですな!」
(お早う御座います)
何処がですかっ!!!
…next.