そんな馬鹿な
□#03 (信じられない)
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「帰れない…?」
『はい、』
彼女は何を言っているのだ。
其処までして私を警察に連れて行きたいらしい。
……否、そういえば、先程の彩さんの言葉。
どうせ捕まるなら、せめてあれを確かめてからにしたい。
「彩さん、先程貴女は言っていましたね。
私の名前と、私が本当に本物なのか、と」
『は…い』
「2つ程、質問をさせていただきたい。
1つ目、私と初対面である貴女が何故私の名前を知っているのですか?
2つ目、本物とは一体どういう意味でしょう?」
私の質問に彩さんは少し困った顔をする。
『え、と…
これを見てもらった方が早いと思います』
彼女が私に差し出したのは一冊の漫画本。
しかし、表紙のイラストを見て 私は目を丸くしてしまった。
「これ…私、ですよね…?」
『はい、多分…メフィストさん、です』
私の頭の中は珍しく混乱状態に陥る。
そして、認めざるを得ない結論が出た。
『メフィスト、さん。
もしかして…
逆トリップ、と言うのをしてしまったんじゃないですか……?』
(信じられない)
まさか、そんな……
…next.