連載2
□あえて言うなら“影”
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「使う気になったんだね、大空属性」
『さっきのγとの戦いで、使わないと勝てないってわかったし・・・』
「だったら、もっと完成度を引き上げてもいいかな。もちろん、厳しくなるけどね」
そういってハリネズミのサイドからこっちに向かって走ってくる恭弥
さっきとは比べ物にならない殺気を身にまとって
『(うっ!! や、やばいっっ!!)』
匣だけじゃ、無理っ・・・!!!
ジャラララッ・・・!!!
瞳を変化させ、床から何本もの漆黒の鎖を生み出し、行く手を阻もうとするけれど、ことごとく避けられる
「悪魔を操る力と匣兵器を別々に扱おうなんて、考えなくていい。両方同時に仕掛けてきなよ。それでようやく60点ってところだ」
それで60点って・・・! じゃあ、どうしたら満点もらえるの?!
他になんか武器あったっけ・・・!?
あと使っていない匣兵器なんて、1回も開けてない腰の右側につけてるやつだけなのに・・・!
「それに、この間までの柔軟性はどこに行ったんだい?」
柔軟、性・・・?
――お前の戦い方をそろそろ確立しろぉ。近距離なら近距離。中距離なら中距離。遠距離なら遠距離ってなぁ。
どっちつかずだから、そうやって匣ぞろぞろ持ち歩くはめになるんだぁ――
たかが夢・・・なのだけど、それは前から思っていたこと。ずっと、見て見ぬふりをしていた