連載2
□失わないために必要なもの 2
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『これで最後です』
ラルさんに匣をあるだけ開匣してほしいと頼まれたから、うちは手元にあるだけの匣を全て開匣した。
そして、最後に開匣したのは――
「うわ・・・!」
晴れ属性の炎をまとった、扇子。
扇子のメインの色・朱色と晴れ属性のイエローの炎が何ともマッチしている
「こんなにあんのかよ・・・」
「あ、彩夏の匣って日本のものばっかりなんだな」
「あ、ホントだ・・・」
今、トレーニングルームにあるうちの匣兵器は雲属性の薙刀と手裏剣。晴れ属性の扇と反物。雨属性の独楽の5つだ
「バランスが取れているな。近距離武器・遠距離武器・回復全て揃っている」
『この組み合わせで持つようにってすすめてくれたのは、別の人なんですけどね・・・』
ね、恭弥・・・
「?・・・。まぁいい。
獄寺。お前の匣も開匣しろ。偶然、雷属性以外の全ての属性が揃っているからな。目で見たほうが実感がわく」
「! 待ってたぜ!」
――開匣!――
開匣したのは嵐属性のガントレット型の武器
『!!』
「借りるぞ」
ラルさんは雨独楽を手に取った