夢小説


□理由
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-修兵視点-

乱菊さんと急遽現世出張が決まった
いつもなら 恋次や一角さん あそこら辺が動行するが
今日は現世調査で色々現世の流行りを
調べに行く

市丸ギンが死んでから
乱菊さんの空元気が気になっていた俺は
少しでも 楽しんでもらえればと
乱菊さんにも声をかけた

「行くいくぅ!!何買っちゃおーかしら!」

当然乱菊さんに聞く前に
日番谷隊長にも了解を得た

「松本に変な事すんなよ」

と釘を刺されたが…
ってか なんで 日番谷隊長にんな事
言われなきゃなんねぇんだ?!
「何さっきから一人でブツブツ言ってんのよ!
気持ち悪いわね!」

隣を歩く乱菊さんは俺をちょっと
斜めに見上げながら言った
その表情があまりに可愛くて綺麗で…

現世に来てから街を二人で歩いているが
大概の男は乱菊さんを見て振り返ったりしている
店に入れば店員達も群がってくる
きっと モデルか何かと勘違いしてんだろ

しっかし…

乱菊さん…買い過ぎだろ…

俺も もう両手に紙袋がぶら下がっている
が 乱菊はまた何やらショーウィンドウにかじりついている

「乱菊さーん 俺 もう持て…」
言いかけて足を止めた
乱菊さんはショーウィンドウの中の綺麗なウェディングドレスに
見入っていた
光の加減で淡い銀色に見える生地に
透き通るような青い石が散りばめてあった
それは市丸を思い出させるドレスだった

「…綺麗ね…」

「そぉっすね!でも 乱菊さんにはこっちが似合うんぢゃ?」
努めて明るい声を出して 別のドレスを指差す俺に乱菊さんは 少し笑った
その笑顔が痛くて 俺は目をそらした

「少し休もっか!さっきチラシ見たのよね あたし!
現世で人気の場所みたいよ♪」
乱菊さんは俺の腕を引いて
ぐんぐん進んでいる
着いた場所は個室。

ここは…なんだ?

キョトンとしている俺に乱菊さんは
特に気にするでもなく
部屋にあったお茶を淹れてくれた

この大きなベッド…
二人掛けソファー
便所も風呂もついてる
テレビもある
ん…?カラオケもあんのか!
現世の仮眠室はすげーな!
とりあえず テレビでもかけるかな!

「うぉっ?!」

何だ この破廉恥な番組は!!
慌てて 番組を変えるがまたしても破廉恥な番組
テレビを消すと乱菊さんが笑っていた

「あはは!そんなに慌てなくても
そういう事する部屋なのよ ここは」

乱菊さんはしれっと言ってのけた
頭が爆発しそうだ

なんで そんな所に乱菊さんと俺…来てんだ?

「修兵…?」

「はっ!はいっっ!」

声が裏返った

「…そんなに怖がらなくたって 何にもしないわよ!」

乱菊さんは小さめメニュー票を見ている

「とりあえずビールね!」

ビールを二つ頼んでからソファーに座った
俺はベッドの上からイチミリも動けずに居る

「どうしたの?さっきから修兵 変よぉ?」

「あっ!当たり前じゃないっすか!
こんな所…俺…」

「何?修兵こういう所、本当に初めてなの?
あんたモテるからてっきり…」
うわー
その一言 本気で俺傷付きますよ…
俺 ずっと乱菊さんの事…
俺の思いは全く伝わって無い上に
他の女とっかえひっかえヤってた
そう…思われてたんすね

「修兵?」

「そう…っすよ 俺 モテますから!
でも現世ではナイっすよ!
あはは!」

ビールを一気に煽る
俺 乱菊さんにどんな男だと思われてたんだよ

「経験多いってわけね!いやらしいわね!修兵!」

「そおっすよ!俺 スッゴいすから」

なんか 今までの俺の気持ちがガラガラと音をたてて
崩れた…そんな気がした
今何杯目かわからないビールを煽る

「じゃぁ…あたしも抱いてみる?」

「ぶっ??!!」

「ちょっとぉ!汚いわね!」

いきなり隣に座って いきなり凄い事を言う乱菊さんに
思いきりビールをかけてしまった

「すっ…すみません
いきなりそんな冗談言うから…」

「冗談じゃないわよ 本気。
色々な女は抱けて あたしは抱けないって事は無いでしょ?」
「そ…そうっすけど… 乱菊さんは俺で良いんすか?」

乱菊さんは何も言わず いきなり俺の唇を自らの唇を塞いできた

ずっと夢に見てきた瞬間だったはず
柔らかい唇
乱菊さんの髪の甘い匂い
全てが俺の夢で
それが今 叶おうとしているのに…

「…あたしは抱けないのね」

「乱菊さん…
俺…ずっと乱菊さんの事好きだったんすよ…」

「じゃぁ 何で抱けないのよ?!」

俺を責めるような口調

「好きだからっすよ!
好きだから 大事にしたい
俺 さっき嘘つきました
女なんか抱いた事無いっす」

「…そうなの…」

乱菊さんは少し乱れた髪を直した

「…その…乱菊さんは?」
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