願望小説

□市丸夫婦
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今日は結婚式
ドタバタしていたが
なんとかこの日を迎えられる事を
乱菊は噛み締めていた

お互い両親や家族 親戚と呼べる者は居ない
けれど 友人たちや各隊長や
重役が集まって
凄い人数になった

「流石に緊張するわね…」

真っ白なウェディングドレス
髪はまとめあげた
協会は無いので
阿散井や斑目に頼み
人前式をする簡単な場所を
作ってもらった

身の回りの事は一番親しい
伊勢七緒に任せた

「乱菊さん…綺麗ですよ」

「…ふふ ありがとう」

鏡の中で視線を交わし合う

「あの…これ
私 乱菊さんにプレゼントしたくて」

と七緒がパールのネックレスを取り出した

「その…こんな物しか用意出来ませんでしたが」

と乱菊の首に優しくかけた
それはキラキラと輝いている

「私 嬉しいんです
本当のお姉さんがお嫁に行く
そんな気がしています」

「やだぁ 七緒!
ちょっと 泣かさないでよぉ」

乱菊は涙を拭う
つられて七緒も涙を拭った

「こんな綺麗な…
本当にありがとう 七緒
あんたは本当の妹よ」

二人はギュッと抱きしめあった
コンコンとノック音が響いた

「そろそろだぞ」

「たいちょー!」

乱菊は日番谷にいつも通り抱きついた

「ちょ…おまっ やめろ!」

「やぁですよ♪結婚してもやめません♪」

「そんな誓いいらねぇ!
お前は違う誓いをたてに行け!」

と背中を押された
そこには総隊長の姿
乱菊には父親が居ないので
ヴァージンロードを一緒に歩くのを
頼んだのだ

「今日はありがとうございます
総隊長」

「いや 皆我が子同然
当たり前の事をしておるだけじゃ」

と腕を出された
その腕に乱菊自身の腕を絡ませ
花のアーチをくぐり抜け
ヴァージンロードを歩いた
その先にはタキシードに身を包んだ
市丸ギンの姿

友人たちは通り過ぎる乱菊に
綺麗だ綺麗だと口を開いり
想い人が一人のものになってしまう事に
泣き崩れる人もいた

市丸の前にくると

「宜しく頼むぞ 市丸…」

と総隊長からギンへと乱菊の腕が
渡される
乱菊は微笑んだ

「綺麗やね 乱」

ギンは小さく呟いた
返事はしなかったが
乱菊はギンの腕をギュッと握って
微笑んだ

二人が台に登る

主役二人を始め
みんな姿勢を正した
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