陰色の陽
□夢回す銀槍 part1
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赤牧市、ホルス聖城学園中等部。偏差値もそこそこだが、授業料が飛びぬけて高いといわれている、いわゆる上流階級の生徒が多い名門校。
その校舎を、二年生の一之黒 亜梨子、西園 寺恵那、九条 多賀子は進む。三人と同じ制服を着た少年少女たちも、自分達の教室に歩みを進めている。
「でも、やっぱボディーガードは欲しいわ。虫以外にも、世の中物騒だし」
「亜梨子より強いボディーガードなんて、いるわけないじゃん」
「何言ってるのよ?わたくし、これでもか弱い女性ですのよ」
「そうでしょうか?」
「多賀子までぇ」
ショックでうなだれる亜梨子を二人が笑う。
「すんませぇん、そこの三人のお嬢さん!」
後ろから呼ばれ、三人は後ろを振り向く。
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