You change the world.

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ゼノじぃと話した次の日とても良く晴れ、高地にあるこの屋敷にも珍しく暖かい日差しが差し込んでいる

昼食後リハビリと称した散歩にイルミを誘ったまでは良かったが話し出すタイミングが掴めず、手を引かれたまま黙々と歩く


イルミの本意が掴めないままだと何から話していいか分からないよ…


繋がれた左手に輝くリングを見ながら言葉を探していたらふと足が止まる



「ここ覚えてる?」

視線を上げると、森の中にぽかっと口を開けたように広がる草地


「良くここで遊んだね」


「ねぇあやめ、ここでした約束覚えてる?」

(?)

「やっぱり忘れてるんだ、お嫁さんになってずっと一緒だって言ってくれた事」


…………
いつの話?ごめん…私忘れてる、きっと私が出て行く前だよねそんな昔の事覚えてたんだ…

閉鎖的な小さな世界で生きてたあの頃の私はもう居ない、人を愛する事はまだ良く解らないがイルミに対する感情ははっきりしてる


家族愛


「イル、ごめん「あやめは今までと同じく好きな事をしてて良いんだ、ただ帰る場所が俺の元と確信が欲しい」」

「ありがとう…でも気持ちには答えられない」

「ここで生活しなくてもいいんだよ、あやめに合わせる」

「違うそんな事じゃなくて…私達お互いに依存してるんだよ…」

「依存?」

「ずっと一緒に育ってきて離れるのが怖くて不安になってるだけ」

「一緒に居たいだけじゃダメなの?」


ただ首を横に振る
それだけじゃダメなんだよ、ほら現に抱き締められても何の感情も湧いてこない
聞いた事がある…好きな人とは触れ合うだけでドキドキしてただそれだけで充実感にみたされると


安心感は感じるが…それだけ


リングを外しイルミの手に握らせる

「これは受け取れない、私達…少し離れた方が良いかもね」




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