You change the world.
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マチの進言通りシャルにまず友達からと伝えると、急ぎすぎたと逆に謝られなんだか優しすぎるシャルに…罪悪感
でも無知な私の考えで突き進むより忠告をしてくれる人に従う方が上手くいく気がする
助言なんて今まで無かった事だから夢に向かって一歩前進なのかな?
パクも途中から参加し最後の方は脱線気味のおしゃべりだったので思いの外長くマチの部屋に籠っていたらしく、シャルと話す時には既に日が落ちていた。
煮込んでいた鍋が気になりシャルとキッチンへ戻るとウボゥーギンとフェイタンが椅子に座り夕食を待って待機
いつの間にか食事当番に任命されていたらしい
遅いだ腹減ったなどの文句を聞きながらキッチンに立つと育ち盛りの男の子を持つお母さんってこんな感じなのかな?なんて思ったりしてちょっと楽しい
早くとのリクエストに答えてメニューは手早く出来るトマトとガーリックの簡単なパスタ。
麺を湯がいている間にサラダとスープを作っていると香りに誘われてみんなキッチンに集まってきた
盛り付けた皿を受け取ると目を輝かせてかぶり付くウボォーギンの姿を見ていると空腹感を感じるけど、我慢我慢。
シャル「あやめってお嬢様なのに料理なんてどこで覚えたの?」
「お嬢…様って…」
確かに世間一般からするとあの家はお金持ちに分類されるんだろう
でも私がやってきた事はお嬢様と呼べる事なんて無いに等しい。
命懸けの鬼ごっこに電気、水攻め、鞭打ち、不眠、大音量で騒音を聞かされる聴覚攻め、真っ白い部屋で過ごす視覚攻め何でもありだった拷問各種
あっ、家庭教師がついてのダンスや勉強はお嬢様っぽいかな
「一人暮らしが長いからじゃない?料理するのは家を出てからだし…」
ウボォ「毎日豪華なもん食ってんだろなー」
「豪華って言えば豪華だったかもしれないけど、味は最悪だったよ。全部毒入りだから」
いくら身体に耐性がついたとしても喉の奥に焼けつくような痛みや舌の痺れは少なからずある、無味無臭と言われてる毒物だって微妙に味があるもので、ましてや入ってると分かってるんだから気付かない訳がない
家出して一番感動したのが食べ物の美味しさだったなーおかげで一時期ジャンクフードにはまって太った。可愛く言えばぽっちゃり。現実は…思い出したくないくらい。
フラン「それじゃ毎回命懸けだな」
「慣らしの時はキツいよ、子供の頃は何度倒れたか…そうそう、みんなに最初に会った次の夜も死に掛けたよ、あれは本当にヤバかったみたい」
「「「…………………」」」
あれ?
ちょっとなんでみんな黙っちゃうの?
ここは笑うとこじゃないの?
このメンバーなら笑い飛ばしてくれると思ったのに…
…もしかして、やっちゃった?
空気読めてない?
クロロ「それで体調崩してるのか?」
「…うん…」
ウボォ「ブハッ!バイオレンスなお嬢だな」
「だから、お嬢じゃないんだって!お嬢様なら死にかけるっておかしいでしょ!」
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