You change the world.

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明日時間を空ける為、簡単な依頼を二件終わらせ急いで家に戻るとあやめの姿が消えていた

既に部屋の空気は冷え冷えし主が居なくなってからだいぶ時間が経っているようだ



乱れたままのシーツ

飲みかけのグラス

点いたままのベットランプ

持参した旅行カバンも置いたまま

前と同じだ、あやめが確かにここに居た生活感だけを残して消えてしまった



…………………………
……………………
………………
…………


「イルミ、終わった?」

「待ちくたびれたよ」

あの時はいつもの監視役の執事も付かないただ殺る数が多いだけの簡単な仕事だった

ドアから覗かせたあやめの顔には微かに緊張が浮かんでいた


「イルミ、落ち着いて聞いて……私はこのまま家に戻らない、イルミも一緒に行こう」

「そんな事言ってすぐ戻ってくるんだろ」

あやめの家出は何回目だろう、いつもお腹を空かせて帰ってきた
欲しい物があれば直ぐに執事が用意してくれる、そんな環境だと金など手にした事がなかった


「今回は大丈夫。思ってたよりちょっとタイミングは早かったけど上手く行く自信があるの」

「嫌だね、拷問の時間が長くなるだけだよ」

「本当に大丈夫だって。あと1ヶ月でハンター試験が始まる、それに合格すれば仕事ができるでしょ、イルミも応募しておいたから一緒に行こ」

「そんな知識どこで仕入れたのさ」

「闘技場で本やネットを見た…1ヶ月どうにかすれば試験中は食事の心配する事もないみたいだしなんとかなるよ」



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