You change the world.
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始めはあまりにも動けなくてもしかしたらこのまま歩けなくなるかもと絶望的な考えも浮かんだが、麻酔が切れていく感じで徐々に感覚が戻り始めた
「私どれくらい寝てたの?」
「1日半くらい」
「…また心配かけちゃったね」
「気付けなくてごめん」
イルミの手を動く指先だけで握り返す
大丈夫だよ…
私、上手く笑えてるのかな…きっと引きつってるんだろうな…
水分を多く取り、なるべく手足を動かす運動を続け痺れを飛ばす努力をしていると3日も経つとゆっくりとだが自分の足でトイレに行ける位まで回復してきた
メイドにトイレに連れて行ってもらったり、体を拭かれるのは同性だがやはり羞恥でならなかったし、特に甲斐甲斐しく世話をしてくれるイルミの顔を見るのは辛かった
倒れる直前までの記憶は覚えていて、気持ちには答えられない事には変わりがない
体を起こせるようになり気付いた左手のリングがとても重い
でもずっと付き添ってくれるイルミの前では外すことができない狡い自分がいた
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