You change the world.

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お互い言葉を交わす事ないまま近づいてきたコスカリ村、境界線などなく道の横に村の名前が書かれた看板が刺さっているだけ、それだって私が作った物
私が来る前は整備されている数ヵ所の建物以外は昔ながらの木を組み立てた民家が並んでいただけ

家から顔出す人達に手を上げて挨拶しながら素朴なこの村に似つかわしくないコンクリート製の建物の前まで進み車を停める

二つある建物は一つが事務所でもう一つが親の居ない子ども達が暮らす家
夕方になるとここは子ども達の声で五月蝿いくらいだけど今の時間は学校に行っているので静か

車を降りて子ども達が住む家へとクロロを案内する
空き部屋が余っているのでそこを使ってもらう、部屋を与えておけばずっと本でも読んでいてくれるかもしれない
食事なども子ども達と一緒に済ます事も出来るし


「この部屋を使って、あとでリネン類は届けるから後は好きにしてて」

「あやめはどこに行くんだ?」

「隣の建物が事務所になってるからそこに居る、何かあったらそこまで来てくれる?」

「分かった」

「あっあと、あの機械があるところは危ない…って言ってもクロロだったら大丈夫だと思うけど、あまり近づかないでね。」

部屋の窓から丁度見える掘削器を指さし大丈夫だと思うけど一応注意を促しておく、怪我でもしたらあれだけ心配していた皆が怖い

「了解」

好奇心満載のクロロだから一人にするのはちょっと心配だけどやる事が山積みだから仕方ない
後ろ髪を引かれながら部屋を後にし事務所へ向かう





到着した場所は小さな村
こんな所に一体何があると言うのか…

村人達があやめに好意的な笑顔を浮かべ挨拶してくるのを見ると随分親しい関係らしい
古臭い家々を過ぎて着いた場所は近代的な(周りに比べたらだが)三階建ての建物二棟
その一つの一室に通され部屋を宛がわれる

あやめが何だか言ってたが適当に返事を返し流す
早くいろいろ見て回りたいと好奇心が疼いて仕方ない、あやめが言いたがらなかった事を早く暴きたい

あやめが建物を移動した頃合いを見て部屋を抜け出し先ずは窓から見えていた背の高い機械に向かってみる

大きな機械は動いてなかったが、山に開いている抗口から伸びる空気を送るダクトファンとベルトコンベアーが活動中でコンベアーから送り出されてくる土砂を川の水で篩に掛ける女性たちが数十人
抗口から聞こえてくる岩を掘削する機械音

鉱山か…あやめらしいと言えばあやめらしい

秘密は簡単に暴く事が出来た
村自体は古くからあったみたいだし、個人でここまでやるのは趣味の域を越えている

まっ手に入れた経緯は今夜の寝物語にでもするか




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