You change the world.
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到着したのは見馴れた森の中
木の枝とシートを避けて隠してあった車に乗り込みエンジンをかけ、こもった空気を入れ換える為に窓を全開にする
平均気温が25℃を超えるこの地方、季節はまだ春だけど今日は天気が良く木々の合間でもさっきまでいた涼しい場所に慣れた体には暖かく感じる。
着ていた厚手のジャケットを脱いで後部座席に投げタンクトップ一枚になる
この森を抜けた山の麓、そこにある小さな村が私の秘密の場所
「ほら早く乗って、これであと5分くらいだから」
窓から腕を出し車体を叩いて辺りを見渡しているクロロを呼ぶ
道から少し奥まった場所だからいくら見ても周りは木々だけ、木の種類に詳しいなら場所特定も出来るかもしれないけど専門家でもないクロロには無理でしょ
クロロがドアを閉めたのを確認してギアを入れる
「ちょっと揺れるから掴まっててね」
村まで続く唯一の道に向かって進む、小枝が車体を叩くくらいはご愛嬌
サイドミラーを倒しっぱなしなのはそれだけ車幅ギリギリの箇所が何ヵ所もあってその間をアクセス踏みっぱなしですり抜ける。一種のアトラクション
道が近づいてきたのでスピードを落としゆっくりと砂利道に降りる
クロロ「ここだけやけに慎重だな」
「あのスピードだとあっちに突っ込むでしょ」
小さな車がギリギリすれ違える細い道だからあのスピードでは曲がりきれない。一度失敗して道の向こうに突っ込んだ事があるのは内緒
ここからはこの砂利道を真っ直ぐ進めば我がアイランド
コスカリ村まであと3分
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