純情小説
□会えない分の
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やはりまだ帰ってきてる様子は無く、部屋は薄暗かった。
仕方ない。
宮城が帰ってくるまで待つか………。
忍は、家事を何か手伝っておけないかと仕事を探したが、見事にキレイに片付いていた。
ならいつものごとく、キャベツ料理を作ろうとしたが、冷蔵庫にはもうキャベツがなかった。
そうだった。
この前全部使いきったんだった。
することがないから昼寝でもしてようと思い、宮城のベッドに横になる。
あ……宮城の匂いだ……。
横になった布団からは、一週間ぶりの恋人の香りが漂ってくる。
久しぶりに感じたこの香りは、一週間分の会えない寂しさをより深くした。