世界一小説

□嫉妬と余裕
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「あー、やっと終わったー!!!」


今をときめく大人気少女漫画家、吉野千秋は机にペンを投げ出し、大きく手を伸ばした。

今やっと、切羽詰まっていた仕事が終わったのだ。


「お疲れ千秋。はい、水。」

仕事が終わった吉野に水を出してくれたのは、アシスタントとして吉野の仕事を手伝っていた柳瀬だ。


「お!ありがとな優!!
ぷはーっ!!仕事が終わった後の水はうめー!!これでしばらく何もしなくていい!!」

「何をのんきなこと言っている。お前はいつも締め切りギリギリなんだから、早めに次の仕事をしておけ。」

これまで黙っていた羽鳥が開いた言葉は、お疲れ様などの言葉ではなく、次の仕事への指摘の言葉だった。
「何だよトリのくせにー。」

「だだをこねてる暇があるなら、次のプロットでも考えてろ。」

「編集者だからって調子乗んなよ!!」

せっかく仕事が終わったのに、お疲れの言葉もなく、ちょっといじけてみる。


トリのバカ!!といった感じで、吉野はぷいっと顔を背けた。
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