純情小説
□魅惑の夜。
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「上條、これやる。」
突然宮城教授から渡されたのは、1本のお酒だった。
「何ですか、これは……。」
「何って見れば分かるだろ。お酒だよ。」
「それは分かるんですけど、教授が何かくれるって裏がありそうで……。」
宮城教授がこんな簡単に物をくれるわけがない。
これは全然何か企んでるはずだ。
「そんなこと言うなって。何も企んでなんかないぞ。」
「いや、その目あきらかに怪しいですよ。ぜーったい、何か企んでます!俺は受け取りませんからね!!」
「まあまあ、そんな遠慮すんなって。せっかくだから、同棲中の恋人と一杯どうだ?」
宮城は上條の肩にポンと手を置き近づいてきた。