純情小説
□会えない分の
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ここ一週間、宮城に会ってない。
高槻忍は、恋人である宮城庸の家の前で立ちすくんでいた。
付き合い出したのはいいものの、お互い忙しくて顔すら合わしてない。
忍の学校が終わって会いに来ても、宮城はまだ仕事中で空振りの連続だ。
そして一週間。
お互い電話やメールだけになってしまった。
今日こそはいるよな……?
そっとドアノブに手をかけたが、今日も帰っている気配はなかった。
仕方ない、帰るか……。
今日もこのパターンになるのかとショックを受けながら歩き出すと、忍はあることを思いついた。
そういえば、俺、合鍵持ってたよな?
なんでこんなことに早く気づかなかったのだろうと思いながら、かばんから合鍵を取り出し、ドアの鍵を開けた。