純情小説

□会えない分の
1ページ/10ページ


ここ一週間、宮城に会ってない。

高槻忍は、恋人である宮城庸の家の前で立ちすくんでいた。

付き合い出したのはいいものの、お互い忙しくて顔すら合わしてない。

忍の学校が終わって会いに来ても、宮城はまだ仕事中で空振りの連続だ。

そして一週間。
お互い電話やメールだけになってしまった。


今日こそはいるよな……?

そっとドアノブに手をかけたが、今日も帰っている気配はなかった。

仕方ない、帰るか……。

今日もこのパターンになるのかとショックを受けながら歩き出すと、忍はあることを思いついた。

そういえば、俺、合鍵持ってたよな?

なんでこんなことに早く気づかなかったのだろうと思いながら、かばんから合鍵を取り出し、ドアの鍵を開けた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ