本3 その他CP

□俺のがイイよ
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ガミホタ





「…堀田」



 何だか溶けそうなくらい大事そうに抱きしめられて、恥ずかしいとか照れる気持ちはあったけど堀田も呼応するように石神に腕をまわした。










「…ぅ……わ」



 …とか、そんな夢を見てしまい堀田は寝起き早々に呻くような声が出た。



 別にそんな風にされるのが嫌で出た声じゃない(←墓穴)。…あ、いや…それはともかく何つー夢見てたのかと堀田は自分自身の思考を心底心配したくなる。



 甘ったる過ぎるだろ…、夢って潜在意識の表れだとか願望だとか言うけどそういう事なのか?「まさか…な」と堀田は赤面して口を押さえた。




「何が?」




「ーーーーっ、ガミさん!?」



 特に約束とかもしてなかったから一人で帰宅した堀田。一時間もしないうちに「ただいま〜」とか普通に堀田の家に入って来た石神に(鍵は掛け忘れたらしい)「おかえりなさい」なんてウッカリこれまた自然に返してしまい、待て俺…Σと壁に手をついて色々考えてさせられたがマイペースな石神に流されるまま考えも流された。



 そして、まぁ…スる事はシてしまったので起きて直ぐ横に石神が居るのも、あぁ…そうだった、と思い出して赤い顔を背けた。




「何でも無いです」




「……………」



 意外と鋭い石神にバレ無いと良いな、と堀田が内心思っているとじっと黙ったまま石神が自分を見てくるので堀田が少したじろぐ。




「…堀田」




「何…ですか?」




「手、ぱっ」




「はい??」




 自分を見る石神がいつになく真剣で、つい身構えてしまったが石神からは何やら謎の言葉が発せられて堀田は思いっきり疑問に満ちた声が出た。



 ただ石神がジェスチャー付きで言ったから堀田も同様に軽く両手をぱっと上に上げた。ドラマなんかで銃を突き付けるシーンがあるが、両手を上げる突き付けられた側、そんな感じだった。



 わけがわからないまま言われたようにした堀田を見て「うん」と頷く石神は堀田がさっきまで変な夢を見たせいか抱きしめてた毛布を除ける。



「はい」




「は?…はい…って何ですか?」




「良いから、…ほら」




 何なんだか本当にわからず顔を顰める堀田を促す石神は両手を広げている。




(抱き着けって事なのか?)



 互いにまだ寝転がったまま堀田に無言で両手を広げる石神は何だか有無を言わせ無い雰囲気で、堀田は怖ず怖ずと石神へと抱き着いた。




「うん」




 石神の首の辺りに顔を埋めるように抱き着くと上から満足そうに頷く石神の声か聞こえて来て堀田は眉を下げた。




「何なんですか?本当に…」




 聞いておいて何だけど、まともに答えが返ってくるのか堀田は呆れ気味な口調になる。




「どお?」




「………いや、だから…」



 何がですか?と何度目かわからない問いをして堀田ももう返答は諦めかけていた。




「何かさー、凄っげー幸せそうに抱きしめてんだもん」




「え…?」




「毛布」




「………あぁ………………………えっ!?」




 眉を寄せて石神の話を聞いていた堀田は一気に顔を赤くした。




「…そんなに…ですか?」




「うん。…だから…どお?」




 ぎゅ、と石神の腕に抱きしめられて、夢の事を思い出させられてしまう。




「抱きしめんなら俺のが良いよ」




 な?と相槌を求めてにんまり笑う石神にやっと今までの言動が繋がり、まだ少し熱い頬をして堀田も苦笑した。




「…妬いてるんですか?」




 毛布に?




「あんな顔されちゃなー」




「…………っ…」




 一体どんな顔して寝てたんだろう…、やはり自分自身を心配したくなる堀田だった。










 …それはそうとして




「離して欲しいんスけど…」




 理由もわかったし、それに今更だけど気恥ずかしい。石神の背にまわしてた手を石神の腕へ持ってきて引き剥がすように掴む。




「嫌だ」




「嫌だって…」




「堀田があの顔んなるまで離さない」




「………っ…ガミさんっ」




 ちゅ、と額に口付けされる。




 あ、甘ったるいんですけど……。




 つか、





 何に対向意識燃やしてるんですか……。




「…堀田」




  何だか溶けそうなくらい大事そうに抱きしめられた。




 ヤバイ…





「…何か熱くないか?」




「だ、大丈夫です」




 額に手では無く唇で熱を確かめられて、正直…大丈夫では無い。顔がやたら熱くなった。




 本当に…ヤバイ。





 恥ずかしいから逃げるように目の前のものをぎゅう、と抱きしめたがそれは毛布では無く石神で…。









 正夢だった?






 頭上でそれはそれは石神が嬉しそうだった。















おわり
 
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