本3 その他CP
□get to eat♪
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ガミホタ
「甘いものが食いたい」
事の後、唐突にそんな事を言い出した石神。
「………はあ」
石神のそんな唐突発言も割といつもの事だ。その横で気怠い身体を動かせ無いでいる堀田は何とか返事をするのでいっぱいいっぱいだった。
考えてるんだか考えて無いんだかわからない表情の石神は何やら思い出したのか立ち上がり冷蔵庫へと向かう。
「開けて良い?」
そう言って冷蔵庫を指指す石神を普段は何でも勝手に自由にしてる癖に変な所で律儀だなぁ、なんて思いながら堀田が頷くと直ぐに冷蔵庫が開けられる音がして石神がベッドへと戻ってきた。
つか、冷蔵庫開ける云々はともかく服着て下さい…と(まぁまだ自分も動けずにいるから同様なのだが)フルオープンな石神にそう思ったが著しく体力低下中の堀田にはツッコめ無かった。
「うまい♪」
そんな堀田の気持ちは石神にはさらりと気づかれる事は無く、堀田の家に来る前にコンビニで購入したアイスクリームを冷蔵庫…冷凍庫から持ってきてベッドで食べはじめる。
「これ最近ハマってんの」
そう言って嬉しそうにスプーンを動かす石神の食べるアイスクリームのカップへ堀田が視線を向ける。クッキーバニラと書かれたそのアイスクリームはココアクッキーがクラッシュされてバニラのアイスクリームに入ってるもので確かに現在、石神のお気に入りなのか食べてるのを良く見る。
暫くさくさくとスプーンを動かしてた石神と、堀田はふいに目が合う。
「食べる?」
「…あ、いや…俺は良いですよ…」
手を前に出しお断りしたのだが、お構い無しにスプーンにアイスクリームを乗せて石神が差し出してくる。
「ほら、早くし無ぇと溶けるぞ」
そう急かされて既に口の前に出されたそれを堀田は仕方無くぱくと口にした。
あ、確かに…。
「…うまいですね」
「だろー?」
堀田がぽつりとそう言うと、何気無い共感に石神が顔を綻ばせる。
それから遠慮(?)する堀田へ自分が一口食べては次は堀田、と石神がアイスクリームを差し出してくる。
「はい、あ〜ん♪」
「…………………」
それはそれは石神が楽しそうにスプーンを向けてくるからもう要らないです(っても石神は聞きゃしないが)と思いながらも堀田は大人しく口を開けた。
そんな堀田を見ながら顔が緩んでるな〜と自分でも自覚があるくらい石神は嬉しそうにしていた。
(可愛い〜なぁ)
照れてる、というか恥ずかしいのか頬を僅かに赤くして、でも大人しく出されたアイスクリームをぱくと口にする堀田に石神の口元は緩みっぱなしだ。
何度かぱちと目が合う度にへらと笑ってしまい、その度に頬の赤い堀田がふい、と目を逸らしてしまうのがちょっとだけ寂しいけど(←欲を言えば笑い返して欲しい。←無謀)凄く可愛い。
何か…。
何だろうこれ…。
あ、アレだ。
餌付けしてるみてぇv
↑何かズレてる石神。
恋人っぽいな、とかでなくそうぼんやり思う石神は何はともあれ幸せいっぱいだった。
「はい、終わり〜」
「……………っ」
ちゅ
最後の一口にやっと終わったと堀田が自分の赤い頬を押さえると口の中のアイスクリームが溶けきらないうちに石神に口を塞がれた。
「…ふ、…っん」
「…甘い」
まだ微かに触れる距離でそう言い、ペロと堀田の唇を舐める。何か言いたそうな堀田の表情が視界に入ったが、衝動のままもう一度石神は唇を重ねた。
「…甘いもん食べるとキスしたくなら無ぇ?」
「…え、いや、それはどうスかね…」
まだし足りないのかじりと近づく石神に堀田が身を引く。
「今度から甘いもん食う時は堀田と一緒に食お♪」
「何スかそれ」
妙な事を宣言されて可笑しくなり堀田が笑うと石神も何やら満足そうに笑った。
「………………」
甘いもの食べる度にする気か、この人…?
笑い事では無い予感に顔が引き攣る堀田だった。
「一先ずも、一回シよ」
(ニヤリッ☆)
「何をですか…」(←地雷)
おわり