本3 その他CP
□やく
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ゴトタツ 裏注意!
「これ俺の戦闘服だから」
大事な式典の日にも関わらずいつものジャケットにシャツという格好で現れた達海に後で有里ちゃんが怒りそうだなと後藤は苦笑した。
「スーツ苦手なんだろ」
そんなつもりは無いのだが子供扱いされたと言うか小馬鹿にされたみたいな気分になったのか達海が拗ねたように反論してくる。
「な、苦手じゃねーけど!つか、これで良いんだよ。ここは戦場だしな」
まぁ、要するにスーツは苦手だと…心の中で納得して後藤はふと前にもこんな事あったな、と思い出す。
まだ達海とETUで同じチームだった後藤。
役割としては今となんら変わりは無かったか、と再び苦笑した。
遠征前、自分の支度を済ませた後藤は達海を捜す。ふらふらどこかへ行ってしまうのは昔からで、こうして何度も捜すうちに達海が大体どこに居るかわかるようになってしまった自分は少し凄いと後藤は密かに自画自賛している。
何だかんだで出発時間までにはケロリと顔を出すから、こんな必死に捜す事は無いのかも知れないが、これはもう日課みたいなものだ。
それに、今となっては好きで捜してるようなものだった。
息を切らして屋上へ着く。ここに居ない時の次の場所も検討済みだ。
「達海っ」
居る事を前提に名前を呼んでドアを開けた。
「あ、ごとー」
達海自身も自分が来るのが当たり前みたいに思ってる口調に見つけた嬉しさが加算する。
出発時間までまだあるが、動こうとしない達海に後藤から近づく。近づいてよく姿を見てから「またか」と後藤はため息をついた。
「何でそうなるんだ?」
呆れた声でそう言う後藤に口を尖らせた達海は「わかんねー」と胡座をかいてた足を伸ばした。
毎回の事だ。
スーツを着るのがどうも苦手らしい達海はシャツのボタンは上2つならまだしも「苦しいし」と3つも4つもとめて無い時すらある。今日は後者の方。ズボンに片方は入れてるというか辛うじて入ってるシャツはもう片方は出てしまっているし、ジャケットも肩を滑って袖を通しているものの殆ど着てないのと変わらなかった。
襲われた後じゃないよな、と心配になる風貌に後藤はもう一度ため息をついた。
「…ほら、直してやるから立って」
「んー…良いのに」
「駄目だって、そういや、ネクタイどうした?」
「どーしたかなぁ?」
促したところで立ち上がる気は無いらしい達海は横で片膝ついて服装を正そうと近づいてきた後藤にさも何気無く口付けた。
まだ(今より)若いとはいえ、こんな程度はしょっちゅうあるので「直すからじっとしてろ」と後藤は割と冷静だ。
そうなると面白く無いから達海が首に腕をまわしてくる。
「…達海」
諌めるように名前を呼ぶがスルーされた。
「…時間まだ大丈夫だろ?」
「……………」
「……ちょっとだけだから…」
「あのな…達海…」
これから試合だろ、と言いかけたが唇は達海に塞がれた。事実煽っているでしか無い口付けに、もう何を言っても言う事など聞いてくれないのはよくわかっている。
「だって…ずっとシて無いじゃん」
熱まじりの吐息を吐いて上に乗っかってきた達海は行動とは裏腹に幼く見える。
後藤の頬を両手で固定して達海が何度も口付けてくる。ちゅと音を立てるのはわざとだろう。こんな構ってモード全開で来られては後藤も拒むなんて出来なくなる。
普段、後藤から迫ったところで殆ど拒否されるのに…と少し悔しい気持ちになるがこういう猫みたいに気まぐれなところも嫌ではない。
「反則だろ」
「何が?」
悔しそうな後藤の表情に満足そうに達海が笑うから、軽く反撃の気持ちも込めて後藤がぐいと達海の腰を引き寄せる。ボタンをとめてないシャツから見える日焼けしてない白い肌へ唇を這わせ、腰を引き寄せた手はするとそのまま下へ滑らせた。