本3 その他CP

□嫉妬の先にある感情
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モチミク 裏注意!





 三雲はあまりオフが好きでは無い。



 普段は練習して、食事を済ませて帰って寝るだけだからオフとか続いてるといつもなら考え無い事とか、時間があるせいでつい考えてしまうからだ。



 サッカーの事なら悩んでも身体を動かしたりボールを蹴ってるうちに少なからずスッキリしてくるが、対するのが人相手だとそうもいかない。



 延々筋トレをして汗をかいたからシャワーを浴びてベッドへ座る。




「オフくらいアンタから休ませて欲しいんスけど…」



 タオルで濡れた髪を乾かしながらそんな独り言を呟いた。




 同チームで先輩で『王様』なんて呼ばれる程の威圧と存在感を持つ持田が三雲は好きだった。



 気のせいで無ければ半分は恐怖な気もするのが何だか悲しいが、多分そうなのだ。



 当の王様は今シーズンからETUで良く見かける王子様の飼い犬に興味津々らしい。少なくとも自分には『好きだ』と公言している。




 持田が誰を好きでも良いと割り切っててもこんな隙間があると余計な事を考えてしまうから自分だけが好きなのはやっぱり辛くなる。



 ただ



(何でかあの人、俺のトコに来るんだよな)





「三ー雲」





 そう、こんな風に…





「………………」




「王様のおなーりー♪」





「は!?…っ持田さん!?」




「頭が高けーって♪」




「…っぐ」





 がばっと頭を掴まれて下へと向かせられる。声から察するにもの凄く機嫌が良いのはわかったが、何で今目の前に持田が居るのか三雲にはサッパリわからない。





「な、何でうちに…」





「鍵あっし」




 見上げた三雲の顔の前にチャリと音を立て持田が鍵を見せる。いつの間に作られたのか、渡した覚えの無い合鍵に顔が引き攣る。




「来たいから来た。何か文句ある?」




 顔に出てるのか聞きたい事は持田から話される。勝手な発言に堂々としてる持田に返す言葉なんてあるはずも無い。




 驚きは隠せ無いまま黙ってると持田が声を出して笑い出す。 




「っく…はははっ、何だよその顔」




 先輩に対して失礼だろうけど、いつも子供みたいに笑うな、と思う。




 楽しそうなら良いか、とかその笑い顔を見ると思ってしまうのはやっぱり好きだから?だと確認する。語尾の?マークに軽く悩む。





「……飲みますか?」




「飲んで来たからいらねー」




 もう日付も変わろうとしてるこんな時間に来られても、どうして良いかそれも悩む。来たいから来た、なんて言われてもどうして良いかわからない。




「万全じゃん?…よし、任せとけ」




「…は?……っ!」





 持田がニヤリと笑ったのが見えたと思ったら、あっという間に唇を塞がれた。




「…っん、んんっ」




 浅い口付けなんてスルーされて早々に舌が侵入してくる。噛みつかれてるみたいな乱暴な口付けにびくっと肩が跳ねた。




 そんなのも持田の機嫌を良くするには効果があるらしく、息をするのに離した唇をにっと吊り上げて再びちゅくと舌を絡めてくる。




「……は、…はぁっ、持田さ…っ」




 息苦しさで持田の服を掴むがまだ離す気は無いらしく逆にさらに深く侵入してくる。アルコールは飲んでも態度はあまり変わら無い持田だが、今日はかなり飲んでるらしいのが三雲はわかった。




「…ふ…ぁ、…っは…」





 口付けだけでいっぱいいっぱいになってると、する、と持田の手が上半身に伸びてくる。シャワーを浴びた後、下はハーフパンツを履いているが上半身は何も着て無くて、せいぜい首にタオルがかかってる程度。万全ってこういう事か…と今更三雲は思った。



「…ぁ…、ひぁっ」




 溶けるんじゃ無いかと思うくらい口付けされて、唇は解放されたが、かぷ、と首筋に甘噛みされて思わず出た声にばっと三雲は口を押さえた。




 当然、持田がそういう弱みを見逃すはずは無い。




「可愛い」




 くくっと喉の奥で笑うとぐいと三雲をベッドへ押し倒す。




 三雲に抵抗する術も理由も無い。




 背をベッドに押し付けられて両手首は持田の手に塞がれる。



 
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