本3 その他CP

□ツケミミ!
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ガミホタ




 ベッドの上に座りのんびりサッカー雑誌を読んでいた堀田に呼ばれてもいないのに遊びに来てた石神が軽〜い口調で話しかける。



「な〜堀田く〜ん」


「嫌です」


「まだ何も言ってないぞ」


 石神の声色で何か良からぬ事をお願い(?)してくる時がわかるのにそんなに時間は掛からなかった。


 しかし今日は一段と嫌な予感がして返事も即答に、出来れば逃げたいが自宅の為それは出来ない。


 そんな堀田は気にもせず当たり前の如く堀田の部屋に居るマイペースな石神が話しはじめる。



「コレ付けてみないか?」


 堀田の横に座り楽しそうな石神が持って来た袋から出すのは犬のツケミミ。



「嫌ですよ!!」



「ーどわッ!!」


 一瞬、時が止まった堀田だったが全力で思い切り否定するのにばっと起き上がったのでガッターンと盛大な音を立てて石神がベッドから落ちた。



「酷ぇな、堀田〜悪魔か!いや、可愛いから小悪魔か!」



「何、馬鹿言ってんスか」



「んー?犬は嫌かー、じゃあ猫は?兎もあるぞ?鼠に狐に熊も」


「…話の切り替え早いっスね…仮装パーティーでもはじめる気ですか…」


「嫌だな〜。ソレならセーラー服とかナースとかメイドとかバニーちゃんとかスク水とか持って来るよ?白雪姫とかアリスとか…あぁ、エプロンも良いな」


「…勘弁して下さい」


 嫌なのはアンタの頭ん中だ、と眉間の皴を更に深くしながら自分は今から何されるのかと不安を煽られる。


「あ、これにしよ」


「え?」



 堀田の意見は結局聞かずにその頭へツケミミを装着させる。堀田は物も見ずに付けられたので柔らかくてふわふわという事くらいで何を付けられたかわからない。


 恐る恐る触ってみる……が、わからない。三角のような丸っこいような…。形すらあやふやだ。



「…何スか…コレ」


「子トラ」


 子って…そんな可愛いらしいもんじゃないだろう(俺が…)、つか猫との違いは?色々な事を思い堀田は脱力するが



「可愛いーなー」


 実に楽しそうな石神に、結局堀田は甘いので不本意ながら外さずじっとしている。



「堀田、後ろ向け」


「は?」


「振り返れ」


「はい?」


 何故か言われるままに一連の動作をすると、石神的にキたらしくテンションを上げる。



「誘ってんのかー!!」


「誘ってませんて!何やらすんスか!」


「尻尾も欲しいな〜」


「…人の話を聞いて下さい……って、ちょっと」



 自由気ままに話してるかと思ったら石神の手はするりと堀田の腰にまわされる。


 近づいてくる顔にキスされると気づいたのに、突き放せば良かったかも知れないが、思わずぎゅと目を閉じてしまった。



「あ、いただきます」


「…ッ…わ」


 無意識に石神の腕に体重をかけてしまっていた堀田は、何を思ったか両手を合わせて食前の挨拶をする石神のその腕の支えが無くなりベッドへと倒れた。


 不可抗力だったが当然OKだと都合良く解釈され石神が覆いかぶさってくる。肩を押して抵抗してみるが効果は無かった。



「手を合わせたから良いだろ」


「いや、何かよくわかりませんが…嫌だ!」


「残さず食べるから」


「意味わかりません!」



「トラ耳可愛いーなー」


「だから!!」









人の話を聞いて下さい!!(切実)











 結局、石神に甘いキトクな堀田は食べられた。






おわり


「つか、おかわり!」 


「も…無いです。つか無理」


「まだ出てくるぞ?」 


「なっ…違ッ…体力の話ですっ!…ぁっ…止め…触…っん」


「枕に当たってトラ耳が折れてて可愛い〜。やー思いの外似合うな」


「…っ…も、嫌だっ…」







エンドレスになりそうなので強制終了!
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