本3 その他CP
□飲み会…その後 サカセラ編
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サカセラ ※裏注意
今日はETUメンバー全員参加の飲み会が開かれた。どのタイミングで、とかETUにそんなお金が、とかはスルーして欲しい…との事。
『10000hit』記念。
らしい。(←笑)
カレーパーティー同様、今期のETUは雰囲気も良い。こんな場にジーノまで参加してたのには少し驚いたが、それだけチームがまとまりつつあるのは喜ばしい事だ。
ウカれた後輩がハメを外し過ぎて無いか気に掛かり堺は軽く周りを見渡した。
こういう場所に来た以上、食事に気を使う堺もそれなりに飲んでいた。酒に弱くはないが特に好きという訳では無いので本当にそこそこに。
ふと泥酔の域に達してないか心配になる程の世良を漸く視界に捕らえる。若手メンバーで集まって騒いでる世良は頬どころか肌まで赤い。首は勿論、熱いのか肘まで捲って見える腕やハーパンなので見える足までほんのり赤い。酒にそれ程強く無い癖にかなり飲んでる様だった。
騒いでる原因は椿に酒を飲ませ様としてる事らしいが、困惑する椿を見て酒弱そうだしなと同情したものの、どんなとこでも先輩からの洗礼は後輩は受けるしかない、と堺はこの場の空気にも少し疲れて来てため息をついた。
「さーかーいーさ〜ん」
気の抜ける声に振り返ると、騒いでたはずの世良がいた。
「…お前…大丈夫なのか?」
「らいじょー−ぶっす」
とても大丈夫とは言えないぽわぽわと身体が揺れて呂律もまわらない世良を目の前にして堺が呆れる。
「もう少し考えて飲めよ」
一応、忠告はしてみるがこの状態ではもう遅い。聞き入れられない言葉はあっさりどこかへ行ってしまい、返される何故か真剣な眼差しに堺はたじろいだ。
何だよ、と聞く前に世良が口を開く。
「堺さん!俺の事、好きにして下さい!!」
間(しん、となる)
ひゅ−−−−−−−う♪
「ばっ…何言ってんだこの酔っ払い!!つか、お前らもひゅーーうじゃねェ!」
「わー!スイマシェン!!堺さぁんっ」
爆弾発言を盛大に落とすなり、謝りつつもしがみついて来る世良は酔ってる癖に力があって離れてくれない。
メンバーも大半が酔っ払いの為「頑張れよ〜」とか茶化してくるし何だかもう訳がわからない。
世良のせいで大騒ぎしてると時間も遅いので家族のいるメンバーなどは帰る者も出てくる。それに紛れて堺もしがみついたままの世良を連れて、この場を後にした。
タクシーを拾い、世良のマンションの近くで降ろしてもらった。少し歩いて酔いが冷めれば良いかと思ったが、思いのほか世良がふらふらだったので少し後悔した。
世良のペースに合わせ様と歩くがつい自分のペースになり少し歩いては世良と距離が離れる。
少し後ろで歩く世良が、しゅんとしながら「怒ってるっすよね…」と聞いてくるので多少(いや大いに)呆れたが怒ってはいないので、そう見えてしまう自分に堺は軽く頭を掻いた。
追いついた世良が見上げてくる。捨てられた子犬みたいな目で見られたら困るだろ、と心の中で思いその手をぎゅと握る。
一瞬、堺の行動にびくっとなった世良だが握られた手とほんの少し照れた表情を見せた堺に、ぱっと明るくなる。単純な奴だな、と堺は苦笑した。
人気も無い道程だったので「仕方ねーな」と、ふらふらする世良の手を引きマンションへと向かった。