本3 その他CP
□また明日へ…の起動力
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ゴトタツ
「ふ…ぅ……んあッ」
「…達海」
汗ばんだ額に掛かる髪を後藤がそっと抄くと悪戯っぽく笑い達海が見上げてくる。
自分の下に達海を組み敷いて、ふと昔の事を思い出す。選手として出会った過去と監督として出会った現在と変わらないその表情に、擽ったい様な嬉しさが込み上げてきて後藤は目を細めた。
「変わらないな、お前は」
ぽつりとそう言うと一瞬きょとんとなる。幼く見えて可愛い。
「そーゆー、ごとーは老けたよな〜」
…返ってきた言葉は可愛くなかったが…。
「…ひどいな」
苦笑しつつも気は緩む。
「監督として頑張ってくれてるよな」
達海の目尻に口付けを落としながら後藤がそう話すと擽ったそうに目を閉じる。そんな猫みたいな仕種が後藤はとても好きだった。
「そりゃお前も同じだろ」
「…俺は、お前が頑張れる環境を作るのも仕事だからな」
「へぇ?」
つい、と達海の唇が近づいてきて後藤のと重なる。
「…ン、…ごとーがそーやって頑張ってくれてるから…安心する…」
「…達海」
頬を赤くして「恥ずかしい事言った」と拗ねる顔も昔も今も変わらなく愛しい。
「…っ…ん、…じゃあ明日も俺が頑張る気になる様に今日はいっぱい構えよ」
「…いっぱいしたら明日は動けないってゴネるだろ」
そう言うと「まぁな」と笑う達海に今度は後藤が口付ける。深く絡まる舌に達海の頬が熱くなる。
「ん…んっ……は、ぁっ」
「…でも今日は止められそうにない」
「へ…?っ…あ…」
後藤にしては珍しい欲情した熱っぽい視線で見つめられて、ぞくりとした。
「………明日…ゴネるぞ」
その熱に煽られて達海はその腕をぎゅっと首へとまわした。
おわり