本3 その他CP
□It's gonna rain!
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ガミホタ ※裏注意
椿や世良じゃあるまいし、30代直前の自分よりも身長のある男に『可愛い』なんて形容詞普通使うか?どこをどう見て『可愛い』のか全く分からないがガミさんは俺に二言目にはそう言う。口調は冗談にしか聞こえ無いが目がマジだから、不覚にもドキッとするじゃないスか…。
ザアァァァ
容赦無く降り出した雨は中々止む気配が無かった。
「今日、降るなんて言ってたか−?」
帰路につく足止めを喰らっている堀田に後ろから石神が話し掛けた。
「いや、俺今日、天気予報見て無いんで…」
そう言い堀田は空を見上げる。しっかりと練習後に降り出した雨はいつの間にか大降りで、傘も持たずに来た堀田は帰るかどうか迷っていた。
ETUのメンバーでは堀田は一番家が近い。歩いても5〜10分程度の場所なので走って帰ろうかどうするか悩んでいた。
「走って帰ろうぜ、近いし」
自分の家の様に石神が軽く言い放ち、その身体はもう雨の中に飛び込んでしまいそうだった。
「ガミさんは車じゃないスか!」
無茶振りを発揮しそうな石神を堀田が慌てて止める。
「えー?お前んち行きたい」
「この雨の中ですか?」
呆れて返すがもう堀田の家に行く気満々の石神には雨など関係無い様だった。
「着替えどーすんスか?」
「貸してくれれば良いよ」
「………………(自由だ…)」
言葉の抵抗は無駄に終わり、止みそうにない空をもう一度見上げて堀田も覚悟を決める。
「じゃ堀田んちまで競争な〜」
「え…ちょっ…」
言うが早いか雨の中に躊躇無く飛び込む石神を追い掛けて堀田も走って行った。
「びしょびしょだな〜」
「だから言ったじゃ無いスか」
玄関の中に入った所ですぶ濡れになった服を掴んで石神が苦笑した。
「上がる前に脱ぐわ。さすがにこれは悪いし」
と言うと男らしくズバッと上半身の服を脱ぎ上だけ裸になる。
「…ガミさん」
ドアには鍵を掛けたから大丈夫だろうが、こんな玄関先で裸なのも何だか微妙だ。
「タオル借りるぞ」と一度堀田を見た石神の動きが止まる。「何スか」と怪訝そうに石神を見返す堀田に口角を上げる。
「堀田エロい」
「…は?……っ……んッ」
石神の言葉に一瞬戸惑うとその隙にずいっと身体を近づけられる。玄関なのでそれ程広くはなく直ぐに背に壁があたる。濡れた服の上から胸の突起を掴まれて身体がびくっと反応した。
「雨の日に白いシャツなんか着るなよ。透けてるぞ」
「…っ知りません…っん…よっ…」
ここでお決まりの台詞。
「誘ってんのか?」
「…って…ませんよっ……っ…ぁ…ンんっ」
胸を弄ばれながら深く口付けされて、悔しいけど鼓動が早くなる。
「今日は遊びに来ただけだったんだけどなぁ」
離した唇は雨の雫が伝う首筋を舐める。
「…っガミさんが…ただ遊びに来るだけとか…無いっしょ…」
次第に荒くなる呼吸でそう返すと石神が悪戯っぽく笑う。