本3 その他CP
□今日は…
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ガミホタ
ぐすっ
相変わらずとめどなく流れるのをティッシュとかタオルで抑えながら、座ってるだけでも辛いのか堀田はベッドに転がった。
ぼーっとしながら鼻同様、涙も止まらないらしく溢れて零れてはタオルで拭いつつも枕が少し濡れていた。
結構症状が酷い方なのに面倒臭がって病院に行かないので、とりあえず食欲もあまりないが軽く食事を済ませて市販の薬を飲んだところだ。
こんな状態なのでロクにお構いも出来ないのに(構う気も無いが)帰ろうとしない石神に怒るとか呆れるとかすら考えられない程、思考は働いてくれない。
ただ何も考えずぼんやりと何となく堀田は石神を目で追っていた。
「誘ってんのか?」
「………………ん−−…」
何かいつの間にかお決まりになった石神の台詞にも返すことは出来ず気の抜けた返事の堀田に石神は苦笑してその横に腰を下ろす。
「…何スか?」
「…大変そーだなぁ」
花粉症ではない石神には良く分からないが堀田が辛そうなので見上げて上を向いたので伝う涙をタオルで拭いてやる。
「…大変なトコ悪ぃんだけど、ヤバイの。どうしようか?」
「は…?」
花粉の症状もなく普段の時でもシてる最中にも泣き顔が少ない堀田が今日は溢れて止まらない程潤んだ瞳で自分を見るので、花粉の性とはいえ石神的にはかなり危険だった。
というか、もう限界。
「可愛いーな〜もう」
「ちょっ…ガミさ……ッ」
上へ覆い被さり涙を唇で拭いながらちゅと音を立ててくる石神に堀田が慌てる。
「嫌ですよっ」
「潤んだ目に火照った頬で見られたら限界だよ」
「幻でも見てんスか…」
「なー堀田ぁ」
「駄目です…も、怠いんス…」
つか薬が効いてきて眠い。目を閉じたらもう寝そうなくらい。
力無くそう言うと石神も大人しくなり再び横へすとんと座った。
「…しませんよ」
「わかってるよ」
「……………今日は」
「へ?」
ぽつりと言われた堀田の一言に驚いて石神が堀田を見れば、本当に限界だったのは堀田らしくもう眠っていた。
「寝ちゃったのか」
と少しだけ残念そうにそう言うと痒いからと擦りすぎて赤くなってしまった堀田の目尻を優しく撫でる。
「あーあ、痛そー」
再びそこへちゅと唇を落とすと少し荒れた肌にぴりとしたのか堀田の眉間に皴が寄る。
そこを人差し指でぐりぐりとしながら可笑しくなり石神が笑う。
そして
「仕方ないから何もしないよ………………今日は」
と寝てる堀田の耳元で囁く。
傍に居て寝顔を堪能出来るだけでも幸せだな、と口元を緩めた。
数時間後
あーもう!可愛いな〜(←ベタ惚れ)
「(…まさか)ずっと見てたんスか」
「あ、起きたのか。なー堀田ぁ、今日が終わったぞ」
「…はい?」
「シよか」
おわり