本7 その他CP

□これはもう深愛でしょう
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ガミホタ ※裏 注意!




「あーー、疲れた〜」

ドサリと大きな音を立て、正に倒れる様に石神がベッドへと沈む。三十過ぎるとさー、疲れがこう…ドッと来る時があるって云うかさー、と大きな独り言をボヤいている。暫くゆったりベッドに背を預けた儘ボンヤリ天井を眺めて居た石神は、一息ついてベッドには転がった儘頭だけ動かし隣に座った堀田へ話掛ける。


「ゴメン、堀田君。こんなんじゃ相手すんの面倒臭いよね」

「何、言ってんですか。俺は全然大丈夫ですよ」

しおらしい事を言う石神に堀田は苦笑し乍答える。

此処は堀田の家である。

愁傷な台詞の割に我が家同様に寛ぐ石神にも堀田は慣れたもので石神が投げ出した私物の荷物を邪魔になら無い様に片付け、インスタントコーヒーを淹れてベッドの横のテーブルに置いた。自分も石神の横に座り一口コーヒーを喉に通す。
自分の横でベッドへ身を任せ、ボーッと何処かにトリップ中の石神に視線を落とす。今日は練習中も身体が重たそうだった。と、言っても休憩の時に「何かタルい」と石神がぽろっと堀田に漏らさ無ければ気付か無い程、石神は普段と変わらず見えたのだが調子は矢張り悪そうだった。熱でもあるんじゃ無いかと尋ねてみたが、そういう感じじゃ無くて只の疲れだと、石神は笑っていた。誰でもそうだが、何時もベストコンディションとはいか無いから、そういう日もあるんだろうと堀田もそれ以上は聞くのを止めた。
じゃあ、今日は自宅でゆっくり休養をとるのかと思いきや石神は「堀田ん家行きたい」と、現在に至る。

「ガミさん、自分の家で休んだ方が良く無いですか?」

風邪の前触れかも知れ無いし、堀田が心配そうに問う。

「あぁ、鬱陶しいかも、なのは分かってんだけど…」

「いや、それは本当に気にし無くて良いですよ」

「んー…、だからさー」

堀田が石神の横に座ると石神がゆっくり起き上がる。

「ガミさ…」

ぎゅ、と抱き締められて堀田は目を丸くした。

「そーゆー、堀田君の側に居るのが心地良いからさー」

此処に居させてよ、と石神が軽く鼻筋に口付ける。堀田もそんな事言われると身体の為に何方が良いとか精神的には如何かとか考えるのは止めて帰らせる気も無くなり、薄っすら目の下を赤くし頷く。

「……ん」

今度はゆるりと重なる唇に目を閉じる。

「……ん、ん⁈」

しかし、その儘石神が上に覆い被さって来るし、何時迄経っても離れ無い唇にパチリと堀田は目を開けた。

「ちょ……ん、っ、…ガミさんッ!」

「何?」

「疲れてるんじゃ無いんですか⁈」

石神の唇は離れ無い処か次第に深くなるので、堀田が慌てて石神の肩を押し遠ざける。石神に押し倒され堀田はベッドへと背を預けてしまい後ろには引け無いからだ。

「いや、何か…堀田君が可愛いからシたくなってきた」

「何言ってんスか…、ガミさん。疲れてんでしょ?寝て下さい」

「精神は回復すると思うよ」

「そんなS…道みたいな話誰もわかりませんよ」

「堀田、わかったんだ。凄ぇ」

「いや、あぁ…、まぁ………、って、ガミさんッ」

何故か感心され微妙な気持ちになる。その隙をつく様にするりと石神の手の平が堀田の服の開(はだ)けた処から腹部に這わされる。

「ん。触り心地良いな、堀田」

「……っ」

腹筋をなぞり乍、下半身へと手を伸ばす。

「ガ、ガミさんっ」

「…ヤバイ、シたい」

堀田の制止等構わずに石神が堀田のスボンを下ろす。石神は矢張り疲れている所為か何時もよりのろのろとした動きなのに止められ無いのは、時折熱視線を送られてるからだと堀田も眉を下げた。
石神は堀田のものを取り出すと先端へと軽く口付ける。ぴくっと反応する堀田にニッと口角を上げる。可愛いな、とぼそりと呟くと舌を這わせ始めた。

「……っ、ふ…ぅ」

口に含み舌先を先端へと押し当てる。きっと未だに自分の事を気遣い早く身体を休めて下さい、とか内心に思っているんだろうな、と快感と板挟みになってるのは困った様な切ない様な表情の堀田から見て取れた。それが妙に色っぽく見えて、ついもっと困らせたくなった。
睾丸をゆるゆると手で揉むと堀田の爪先が丸くなる。石神の中で勝手に思ってるだけだが、猫みたいでそれも可愛い。

「………っ、ガミさ…っ」

堀田の手が石神の頭に触れる。

「良いよ、イッて」

口に含んだ儘石神が答える。何処か思惑通りに益々困った表情を見せる堀田に石神の熱も上がる。はじめてでは無いが口にするのは抵抗があるらしく堀田が首を振る。イイのに、と更に告げ手の平で焦らす様に堀田自身を辿り乍、指先は秘部へと進めた。

「…此処とか如何?」

「……んんッ」

自分の唾液で濡らした指を少しずつ侵入させる。中で指を曲げると堀田の腰が撓るのを視界に捉え石神は口角を上げた。

「…あ、…っ、ぅ…ああっ」

限界なのは先の声色でわかっている。舌と指の動きを強めると堀田が耐え切れずに達した。
その余韻でまだ呼吸も調わずくたりとした堀田を眼下にし石神は幸せそうに笑った。

「…俺やっぱり堀田が好きだわ」

「そ、それは…どぉも………ッ、アっ」

照れる堀田にマイペースな石神は、にこにこ顔を緩め乍自身を堀田へと宛行う。すっかり脱力していた堀田は急な刺激に思わず石神にしがみついた。

「…ガミさ…っ、何か、一言言って下さい…よ…っ…」

「あ、入れるね」

「…遅い」

すっかり侵入し終えてから石神が答える。じっと堀田を見乍ゆっくりと入ってくる石神の視線に耐え切れず堀田はぎゅと目を瞑っていた。視線の意味は、言われて無いが何と無く自分を気遣っているんだと堀田はそう思ってる。そういう石神に弱い。

「…………」

「…堀田?痛く無い?」

そんな事を考え、余計に頬を赤くした堀田は石神に頭を撫でられる。撫でられる堀田はやっぱり猫っぽいと石神は口元を緩めた。

「…ん、堀田…」

「…っ…あ、ガミさん…っ」

ギリギリまで自身を引いてまた最奥へと突き入れる。何度か繰り返すと互いに余裕も無くなりはじめた。ただでさえ石神は疲れていて体力が無い。片腕をベッドに預けて身体を支えるから石神の顔がくっ付きそうだし、耳に息がかかる。自分も石神の耳に唇が触れそうで今更だが気恥ずかしい。

それでも何か…

何か…


「…ガミさん…好き…す」

「ーーーっ、堀…っ」

耳元で不意に予期し無い堀田の台詞に一気に熱が高まる。堪え切れず熱を発した石神に連動して堀田も達したのだが、もっと堪能したかたなーなんて石神が苦笑し堀田を見る。堀田はさっきより力無く石神を見上げて、石神の苦笑の意図がわからずぽやんとしていた。何言ってくれたかわかってる?と尋ねたくなる程、堀田は惚けていて石神は目を細めた。

…でも、

俺が限界ですよ。

「…ごめん、堀田。眠い」

「……は?」

石神の台詞を聞いて現実に帰ってきた堀田は其の儘自分の上に倒れて来た石神を受け止め(優しさ)、暫くぽかんとする。

「…………ガミさん?」

寝息が聞こえます。

「…………」

マジですか?

「…………」

入った儘寝ないで下さい…、そんなツッコミは自分の上で眠る当人同様ふわふわと何処かへ飛んで行ってしまった様である。

こんな状態じゃちゃんと寝れないでしょう、と多分自由な先輩に怒って良い筈なのにそう思ってしまった。



…愛ですか?(違う気もする…)





おわり
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