本7 その他CP

□calling−タンザキ編−
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タンザキ





 男同士だから…とかまず根本から不安が過ぎる。



 それでも目の前の脳天気そうな笑い顔に悔しいけどまだ傍に居て欲しいと思った。









「…赤崎」



 急に話があると丹波から電話があった。



 帰宅後、食事も済ませてシャワーも浴びて間もなく深夜となる時間帯。



 明日にして下さいよ、なんていつもなら言ってやるのに丹波の声色からそれは言え無かった。随分、慎重で言い難そうなその口調はいつも明るい丹波のものでは無いかもと思えるような重い声で、その場では何も聞け無いまま…もやもやとした心で自分の家に来ると言う丹波を自宅にて赤崎は待った。



 そういう雰囲気は何と無く嫌な予感へと繋がる。



 そして、今…目の前に居る丹波はあまり見た事が無い真剣な表情で赤崎は益々言葉に迷う。



 言い出し難そうな丹波の口元、一度視線を合わせたのだが真剣な眼差しそのもので、赤崎は思わず逸らす。空気が重い気がして息苦しい。まさか…と不安ばかりが赤崎を怯ませる。





 丹波が言い出そうとしてる言葉を聞くのが嫌だと思ってるのが…



 まだ…傍に居て欲しいと思ってるのが…



 悔しいけど素直な気持ちだった。




「…あのさ、赤崎」




「…な、何なんスか、こんな時間に来といて…。さっさと話して下さいよ!」



 内心、動揺しながらも言葉は素直で無い自分が嫌になる。




「…あー…、うん」




「……………」



 丹波の口調はやはり歯切れが悪い。




「怒ん無い?」




「…怒られるような事言うんスか?」




「………………」



 赤崎が聞き返すと、今度は丹波が押し黙る。暫くの沈黙の後、丹波は若干決意したかのように見えて口を開く。赤崎はごくりと息を飲んだ。




「俺達…10も歳の差がある訳だしさ…」




「…………はい」




「…ETUじゃ、まぁ…俺の方が先に居る訳だし…」




「…………はい」




「お前も若手じゃ新戦力って目立って来てるし…まだ先もある…」




「…………はい」




「俺の方が色々”先”なんだよな」




「…………た、丹さ…」




「だから…」












「先輩vって読んでみてくんない?」








「………………は?」









 …何言ってんの、この人。(正論)




 丹波からの予期せぬお願い(?)に赤崎が一瞬固まる。



 そして、自分の想像の突っ走りに呆れと安堵とごちゃ混ぜな感情にどっぷり疲れが出た。つか、恥ずい(そんなに一緒に居たいのか、俺…////)。





「…………ば、馬鹿じゃ無ぇの!?」



 つい、声を荒げてしまった。




「わっ、ほら怒るじゃん」




「そりゃ、怒りますよ!だって、こんな時間にっ、空気重いしっ…、そんな真顔で……っ(混乱中)」




「………赤崎、何か涙目じゃ無ぇ?」




「何でも無ぇよ!!!」





 ぴしゃりと赤崎に怒鳴られ丹波は一応しおらしそうに大人しくなった。



 大変しょうも無い先輩v(←余波)のお願いにホッとした…とか




「赤崎…」




「…え?」



 ちゅ、と軽く口付けされて益々ホッとした…とか




「一緒に居て良い?」



 抱きしめられてそんな台詞に嬉しくなったり…とか




「…………ま、まぁー…」




「終電行っちゃったし」




「………………帰れ」




 色々悔しい…。















おわり
 
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