本5 その他CP
□secret face
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タンザキ
練習中の表情からは想像出来ないよな、とそんな事を不意に思ってしまった。
ちょっとばかり”カッコつけ”な後輩は練習中のその横顔も男から見ても格好良いと思う。
まぁ、俺の次に(笑)。
勝ち気で物怖じしない性格で先輩に対してもそれは変わらない、色々吸収して若手でも急成長してる姿に羨んだりもする。
そんな後輩が組み敷いた自分の下で、どうして良いか戸惑いを見せる。切れ長の細い目はその鋭さを何処へやってしまったのか不安そうで…、肌は過敏になり触れるとピクリと反応してはそれを悟られ無いようにするのがまた可愛く見えて、普段と全然違う姿が堪らなく愛しい。
ジワリと潤んだ目で抑えきれない声を漏らす。涙目で困ったような表情で見つめ返されると、大事にしたいと思い過保護過ぎじゃ無いか…と言われて呆れられる程、優しく触れてしまう。
反面…もっと泣かせたくなる、と思った事をつい口にしてしまったら真っ赤になり黙ってしまった。
暫くして悪態をつかれるが、その時の悪態は効力等皆無だ。
可愛いくて仕方無い。
「練習中っスよ、ぼーっとしてる暇なんてあるんスか?」
「んー…」
気付けば、その後輩は目の前にいた。ぴしゃりと諌められ丹波は昨晩の記憶を片隅に頭を掻いた。
とても昨晩、自分の下で可愛いらしく乱れてた後輩とは思え無い。
しかし、当人には違い無い。
丹波はニヤリと笑うと後輩へ耳打ちする。
「赤崎見てたら欲情してきちゃった」
口の端を上げたまま、赤崎と丹波は目を合わす。赤崎は僅かに目を吊り上げてふいと目を逸らした。
「馬鹿な事言って無いで、早くあっちのチームに入って下さいよ」
「…ちぇ、冷てーの」
赤崎に動揺が見られ無かったのを内心残念がりながら、軽い口調で振り分けたチームへと向かう丹波の後ろ姿を赤崎は横目で見送った。そして、自分も丹波とは反対側へと向かう。
「あれ?赤崎っ、顔真っ赤だぞ」
「〜〜〜〜〜何でも無いっスよ…」
口元を押さえ耳まで赤い赤崎に世良が首を傾げた。
赤崎の動揺は丹波の預かり知らないところでコッソリと…(笑)。
おわり