本5 その他CP

□lax
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ガミホタ





「…っ…んッ」




「…だしの良い匂い〜♪」



 練習後、自宅へ帰るのと同様の感覚で堀田の家には石神が付いて来る。キッチンで夕食を作る堀田だったがリビングで大人しくしていた筈の石神が背後から項に口付けてくるから、不意をつかれ思わず声を漏らした。口を押さえ気恥ずかしそうに石神を軽く睨むが、石神の台詞に脱力し堀田は眉を下げた。



 当の石神はにんまり笑うと背後から堀田に抱き着いたまま焜炉を覗き込む。




「…今日の野菜はもうコレで摂る感じで一杯野菜入れて味噌汁を作ろうかと思ってますが…コンソメの方が良いですか?」




「いやーやっぱ味噌汁でしょ♪」



 ガミさんならそう言うと思った、と内心。石神の不意の行動も「まぁいいか」と石神の返答に堀田が何処かホッとしたように笑う。無意識なそんな表情にドキとした石神。




「…ガミさん」




「あ、…うん。何?」




「何、つーか…危ないですよ」



 ぼんやりしてると堀田から声がかかり火も使ってるし刃物も扱ってるし離れて下さい、と諌められる。確かにそうだとわかってはいるが石神は堀田からくっついたまま離れ無い。




「ガミさん」



 万が一でも石神に怪我でもさせたら、と堀田の脳裏に過ぎる。強めの口調で名前を呼ぶとさすがに石神も離れるだろうと思いきや予想に反して離れ無い。




「…ガミさん」



 野菜も一通り入れ終えて味噌を溶くだけのコトコト揺れる鍋を横目で視界に入れて石神の名前をもう一度、静かに呼ぶ。しかし、返事は無く抱きしめてる腕に僅かに力が篭るのを感じて堀田も観念し一呼吸した。




 堀田君、俺に甘いって…。



 そう思って甘えてしまう自分も大概だとわかっているがこの心地良さは多分、堀田が想像してる以上だと石神はぎゅと堀田の肩に頬を寄せる。





 堀田も自分が石神に甘いのを自覚している。ただ、甘やかす行動はどうも無意識で…その無意識の行動で肩に寄せられた石神の頭を反対側の手で宥めるように撫でた。




「ちょ…堀田、誘ってる?」




「…て、ませんけど…、…ンんっ」



 否定したが直ぐに石神に唇は塞がれる。何度か浅い口付けを交わしているとカチリと火を止める音がした。




「先に堀田君が良いな」




「飯のが美味いと思いますけど…」




「堀田の作るモンも堀田も美味しいから心配すんな」




 …別に心配はしてません。





 そんなツッコミは口に出せずに飲み込まれた。















おわり
 
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