本5 その他CP

□曖昧な返答は確実性を持って
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ガミホタ 付き合うまで〜+初v ※裏注意!





「可愛いーなー」




「………………」



 練習中だがニコニコ笑う石神がそんな言葉を言って見ている。



 見ている…それがファンの女の子とかなら堀田も練習中とはいえ「そうですね」なんて軽く返すのだが、石神がそう言った対象は他ならぬ自分の為、返答も返すに返せ無い。



 実は今までうっかり聞き逃していただけだろうか。堺の家で「可愛い」と言われて以来(ガミホタ『可愛い』参照)頻繁にそう言われてる気がする。別にそう言われ男として嬉しいはずも無いのだが、そう言う石神が満面で嬉しそうにするので堀田は返答に益々困る。



 かと言って石神が何か仕掛けて来る訳でも無い。結局、石神に何も言えないまま互いに練習に戻った。





「けーんじ君♪」



 間もなく日付も変わろうとする頃、近所の友達を呼びに来たような感覚でチャイムと共に聞き慣れた声がした。



 明日はオフとはいえ、そろそろ寝ようと思ってベッドで横になってた堀田はこんな時間の来客に後々は慣れてしまうのだが、まだ現在はそんな事も無いので驚いて慌ててドアを開ける。




「こんな時間にどうしたんですか?」



 石神をまだ殆ど解読出来て無い堀田は何かあったのかと心配そうに声をかけた。そんな堀田の心配を余所に石神は普段と変わら無い軽い口調で話す。…いや、普段より更に軽い。




「飲みに行ってたら堀田の顔が見たくなってさー、来ちゃった〜」



 ほろ酔いの石神はそう言うと嬉しそうに堀田へと張り付いて来た。




「可愛いーな」




「ちょ…ガミさん、かなり飲んでませんか?」



 石神がぺったりくっついて来るのと同時にドアから手を離すのでバタンと閉まる。人目を気にする石神では無いが酔ってるせいで益々その感覚は無い。ぎゅう、と掴まれ堀田は動けずにいた。



 ただ、ふと思えば石神に触れられたのはこれが初めてだったと思う。




「堀田君♪」




「…何ですか?」



 普段から軽〜い口調な故わかりにくいが目を見るとマジな気がする。ただ「可愛い」とは良く言われるが「好きだ」とは言われた事は無くて…でも本当に自分を可愛いと思い多分好いてくれているのに僅かながらも気づいている自分もいた。




「本当可愛いーなぁ」




「…大分酔ってます?水持って来ましょうか?」




「…本気で言ってんのに」




「…俺の何処が”可愛い”んだかわかりませんよ」




「いやー、可愛いーって」




「……………」




「それにさー」



 堀田の顔を覗き込むように石神が顔を近づけ、にんまり笑う。




「俺みたいなのに付き合ってくれるのって堀田くらいしか居無ぇよ」




「…?…丹さんや堺さんが居るじゃ無いスか」



 石神の意図がわからずキョトンとしながら堀田が答えると、一瞬固まった石神が吹き出す。「堀田、面白いなー」と笑う石神に堀田は首を傾げた。



 未だ石神は堀田に張り付いたまま離れない。酔ってるせいか笑いのツボにハマり楽しそうに笑う石神を眉を下げてぼんやり見つめた。



 石神の事はとりあえず後輩として見て好きだと思う。



 ふらふら自由にしてるのかと思えば、チームの一人一人の事をちゃんと見てるし、いい加減そうにしてるようで頼りになる。試合の時も変わらない軽い口調も、こんな時くらい真剣になればと思った事もあるが結果、張り詰めた感情を良い意味でリラックスさせてくれる。まぁそれに気付いたのはまだ最近だが…。



 今、酔ってるから仕方無いと少なからず言い訳気味に…抱き着かれているのが嫌では無くて。



 可愛い、と言われるのも多少謎のままだが嫌では無い。



 そんな嬉しそうな顔されたら拒み難い。




「…俺」



 これってどういう事だろう…。




「…ガミさんにされる事で、嫌じゃ無い事の方が多いです」




「…へぇ?」




 堀田の予想外の台詞に石神でも窺うように堀田を見返す。そーっと指先だけ頬に触れて来る石神は珍しく慎重だった。




「…堀田」




「……んっ」



 本当に…自分でも何言ってんだろうと堀田は思ったが、それに対して言葉を発する前に石神に唇を塞がれた。重なる瞬間跳ねた心臓に呼応して身体がピクリと震えた。ちゅ、と数回重ねた後まだ唇が触れそうな距離で「これも嫌じゃ無い?」と囁くように聞かれ、堀田もさすがに困惑し顔を真っ赤にしていたが、たどたどしく首は縦に振られた。










「…っ…ぁ」




「嫌だったら殴って止めろよ?」




「…っ…に、言って…んスか…っ」



 石神にしては随分愁傷な言葉だと堀田は軽く身体を起こした。ベッドへ押し倒されてる状況に戸惑うものの殴るなんて気は全く無い。




「…つ、…かっ、ガミさん…ちょ…待っ…ッ」



 本当にこれって所謂「食べられてる」状況だと、余裕は無いが片隅で思う程身体中を甘噛みされて意識はクラクラと何も考えられなくなる。何されているのかされるのかわかって無くもないが、開かされた足の間に顔を埋める石神に慌てた。




「………っ」



 先程、身体を起こしたせいで躊躇も無く自分のものに舌を這わす石神を堀田は視界に入れてしまい一気に身体は熱くなる。




「…ぅ…ん…、んっ」



 見た目と音に羞恥で目が潤む。普段は冷静な堀田もどうして良いのかわからず石神の行為に制止させようと伸ばした手も力が入ら無くなった。




「…ッ…ガミさんは…嫌じゃ無いん…ですか…」




「何が?」



 少し呼吸を乱しながら、尋ねて来る堀田に石神は首を傾げた。




「…俺に…っ…こんな事するの…」



 本来なら、される側がこんな気遣うか?と何処か人が良過ぎる堀田の台詞に石神は苦笑した。




「全然」




「んっ…ぁ」



 石神の咥内で自身は快楽を拾い集め堀田の脚はガクガクと震えた。戸惑いながら理性が行ったり来たりして眩暈すらした。




「…ガミ…さ…ッ…、や…め…っ」




「イって良いよ」




「…ん、っ…く…だ、だっ…て…」



 やはり、何処か抵抗があるのか明ら様にもうギリギリの状態だが堀田が堪えるのを見て、石神は「仕方無ぇな」と行為を止める。意識を朦朧とさせた堀田へゆっくり深く口付けながら、自身の先走りと石神によって濡らされた秘部へと石神自身を侵入させる。




「んんっ…ーッ」



 絡まる舌の感覚だけでもおかしくなりそうだった。付け加え達する寸前の身体に石神が侵入してくるから堀田も堪えられ無くなりビクンと大きく身体を反らせ白濁を飛ばした。




「…は、ぁ…っ…ガミ…さん…」




「…あー、も。可愛いっ」



 乱れた呼吸で名前を呼ばれ、上気した頬と涙目なのが可愛いくて石神はぎゅと堀田を抱きしめた。




「…ぁ、…んッ」



 抱きしめた拍子に更に奥へと突き上げてしまい、堀田から声が漏れる。自分の声とは思えず堀田は顔を赤くして口を押さえた。達してしまった気恥ずかしさもありそのまま顔を覆う。




「…嫌?」




「…………じゃ…無い…す」




「じゃあ好きって事だよ♪」




「…………っ…」



 堀田の顔は益々赤くなった。



 ただ、こうして抱きしめられてるのが心地良いのは確かで…。




「………かな?」




「うん♪」



 嬉しそうな石神に何だか自分も嬉しくなる。




「………かも」




「うん♪」



 ほんわりする心地良さに堀田は目を細めた。









 それはさておき…、




「……ガミさん」




「んー?」




「…その……う、動いて…くれないと、辛いんですけど……っ」



 繋げたまま石神が何故かなかなか動く気配も無いので、言いにくそうに小さな声で堀田が口を開く。焦れったいというかもどかしいというか…再び変な感覚に身体を微かに震わせた。そろ、と見上げると目を丸くした石神と目が合うが、石神の表情は直ぐにんまりと表情を変えた。




「誘ってる?」




「…て、ませんっ」



 後々、掛け合いとなる台詞。




 堀田の返答に石神は楽しそうに笑った。















おわり
 
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