本5 その他CP

□My First Kiss CHU
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タンザキ





「眠れ無ぇ」



 壁へ寄せて置いてあるベッドのその上で、壁へ背をもたれさせて丹波は宙を見上げぼんやりぼやいた。







 チラリと下へ視線を移動させれば、スヤスヤ寝息を立てる後輩が目に入る。



 警戒心の強い猫みたいな、防犯度抜群な番犬のようなその後輩がこうして大人しく自分の許で眠る様はそりゃもう可愛くて仕方無い。自分がちょっとコーヒーを煎れに行ってる間にベッドへ座っていた後輩は眠ってしまったので、起きたら起きたで良いかと思いその頭を持ち上げ自らの膝へ乗せた。強制的に膝枕をさせられた後輩(笑)。起きてたら絶対にこんな風に甘えてくるなんて無いだろうな、と苦笑し短い髪の感触を楽しむように撫でる。




「赤崎ー?」



 名前を呼んだが起きる気配は無かった。



 練習後に家へと誘えば承諾され嬉しくなる。ただ、丹波より若く体力があるであろう赤崎も逆に若い故、良く動くから運動量はきっと丹波より多い。ベテランになる程、己の体力を考え少ない動きで行動するから上手に身体を休める術を身につける。疲れてるなー、と赤崎を眺めてかれこれ一時間は過ぎようとしていた。



 そんな赤崎を眺めているとさすがに丹波でも誘って良かったのか内心悩む。




「…あ」



 そんな時、ぱちりと赤崎と目が合う。



 起きたのか、…あ、勝手に膝に寝かせたわ。怒るかな。さて、何て言おうか…。



 まだぼーっとした赤崎へ覗き込むように丹波は顔を近づけた。










 ちゅう












「……………!!!??」




 近づいた丹波の顔をじっと眺める事、数秒。軽くだが確実に赤崎から口付けられた。妄想ならいくらでもあるが(笑)、予想はしてない赤崎の行動に丹波が硬直する。



 ガラにも無く赤面した。




「あ、赤崎君ー?」



 当人は再び丹波の膝で寝息を立てている。




 何スか、今の…?



 こうして丹波は眠るタイミングを逃したのだった(冒頭のぼやき)。













おまけ




「何馬鹿言ってんスか、してませんよ」




「したって!もーあれからドキドキして眠れ無かったんだから!」




「んなタイプには見えませんよ」



 夢でも見たんじゃ無いスか?…と呆れた赤崎。




 襲っておけば良かった、とかウッカリ考えを口に出した先輩は後輩から枕を投げ付けたとかいないとか…。















おわり
 
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