本5 その他CP

□much of nothing
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タンザキ





「なぁ、赤崎ぃ、返事はー?」




「何のスか」




「告白したけど?」




「…冗談に付き合ってる程暇じゃ無いんスよ」



 唐突の告白から何日経ったか。あれは冗談だったともう気にも止めて無かったが、練習の休憩中に思い出したかのように声をかけれた。



 馬鹿馬鹿しい、と冷たく言い放ちそっぽを向く赤崎。当の丹波といえばそんな赤崎に怖じる事など無いから相変わらずニヤリと笑い返した。




「試してみろよ。俺が隣に居ると楽しいって♪」



 どこからその自信が湧いてくるのか、何か面倒臭いな…と赤崎が明ら様に嫌そうな顔をする。大体、急に何なのか。何で突然こんな事言い出したのか。それに…、




「何で俺なんスか?」




「んー?何でだったかなぁ?」




「……アンタ…ッ」



 やっぱりからかってるだけだろ!と赤崎が怒りの表情を向ける。丹波がそれでもにっと口角を上げるから馬鹿にされてるんじゃ無いかとさえ思えて苛立ちすらしてきた。




「キッカケなんてさぁ…瑣末な問題じゃ無ぇ?」




「…………は?」




「どうあれ俺が今、赤崎が好きなのに変わりは無いし」




「……………」



 丹波の台詞に驚く赤崎は、前回の時と同じように、にーっこり笑う丹波に何なのかとムッとした。




「何、笑ってんスか」




「んー?何かその赤崎の驚いた顔が凄っげー可愛いなー♪みたいな」




「………ハァ?」



 丹波と話していると、本当に言葉が通じてるのかわからなくなる。何度目かわからない「は」の連発に眉間には深い皴が出来る。




「そんな怖い顔するなよ」




「………丹さん、自分が何言ってるかわかってます?」




「うん」




「……………」



 本当か???疑いの眼差し全開に言葉を失う赤崎に明るい丹波の声が降りてくる。




「おーし♪じゃ今日から俺を”お試し”な♪今なら一週間サービスだ」




「な、…ちょっ」



 お試しってどういう事だ?サービスって何が?時間(期間)が?それとも内容が?




「……………」




 って、違う!!




 そんなのはどうでも良いけど…。




「マジなんスか……?」







 ぽつりと赤崎が呟く。




 そして、大きなため息。




 何せ当の丹波は既に目の前には居なく、言いたい事だけ言ってさっさといつものメンバーで馬鹿騒ぎ中だ。






「…信用でき無ぇ」




 自由過ぎる丹波にそう思う自分が正しいよな…と振り回されて麻痺してきた思考を何とかかき集めた冷静さで取り戻す。




 キッカケなんて瑣末な問題でしか無いと言うけど…、




 そういえば自分の気持ちはどうなんだろう。




 冗談じゃ無いかと怒ったという事は本気であって欲しいとか期待があるのか?




 一体どのタイミングでそう思うようになったんだろう…。




 瑣末か?




 いや、大事な問題な気がする。















おわり
 
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