本 ジノバキ
□続・今日はワンコ
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※裏 注意
「ワンって鳴いてみてよ、バッキー」
「な、何言ってんスかっ」
実はコトの後なので身体をキレイにしつつベッドの上のジーノと椿。いつもの突然のジーノの台詞にいつも通り椿が困惑しながら焦る。
「だって、バッキーってばあれから耳も尻尾も生やしてくれないじゃない」
「そんな懐かしい(?)話…誰も覚えてませんよ(別話参照)。それに自在じゃないっス…」
「この辺だったよね」
「ひゃ…ちょっ…っ」
冗談みたいな話だが、何でか全く分からないが、以前朝起きたら椿に犬の耳と尻尾が生えていた。
ただでさえ可愛い椿にそんなオプションが付いたのでヤバイくらい可愛い椿を朝っぱらから(前夜にもいただいたにも関わらず←笑)たーくさん可愛いがったりしちゃったジーノだったが…。
あれから全く現れないふわふわした白い耳と尻尾。久しぶりに見てみたいな、とジーノが尻尾のあった辺りを撫でる。その手は次に耳のあったあたりを、やはり撫でる。
「うん、無いね」
擽ったそうに頬を染める椿を見ながら残念そうなジーノに椿が苦笑する。
「でも付きっぱなしは困りますよ」
「自在なら良いのにね」
「…いや、ソレも何か…」
困った表情で椿がそう言うがジーノはマイペースで何か考えていて、ふと思いついた様に椿を見る。
「前は寝て起きたら変わってたから…寝よう!バッキー」
「えぇ!?」
つか、ほぼ毎日ここで寝てますが何とも無いのに今日いきなり出てきたりしませんよ、とか思いつつも話を聞いてくれそうにないジーノにベッドへと、ぐいと押し倒され寝かしつけられる。
ジーノの発言と行動に驚かされたが、横にされれば途端に瞼が重くなる。(体力使ったし)
「………ぅわっ」
ほんのりうとうとしかけたところで今度は頭まですっぽりシーツを被せられた。
「な、何ですかっ」
謎の行動に眠気が飛ぶ。
「こうしてシーツ被せて、次にめくったら生えてたりするかもよ」
ついさっき寝よう、とか言ってたはずですが…待て無かったのかなぁ、と眉を下げて椿がジーノを見上げる。
「シーツ被ってるのも可愛いね」
「へ?…あっ…な…何言っ…」
恥ずかし気も無くそうジーノに言われ更に軽くちゅ、と口付けされる。
「え、と…あの…そんな…手品じゃ無いんだから−…」
オロオロ動揺しながらそう言うと本当に手品のショーみたいにひらりと軽やかにシーツがめくられる。
「あ…、れ?」
白いふわふわした耳と尻尾が
付いてる!!
「えええぇっ!?」
まさかの事態に大声を上げる椿の横で「やっぱり僕って凄い」と笑うジーノ。
「…何でっ!?」
前回同様、半泣きになり困惑する椿に少しは可哀相だったたかな、と思ったジーノだったが、やはり白い耳と尻尾を携えて不安そうに自分を見てくる椿に可愛いと思う気持ちのが強く、口元を緩める。
手は自然とぴくんと反応する耳へ伸びて、触り心地を楽しむ様にやわやわと撫でる。
「んっ……」
背後からぎゅっと抱きしめられて、困っているのか恥ずかしいのか、たおれてしまっている耳へと口付けると、椿の身体が跳ねる。
「…ぁ…んっ…」
先程シたばかりなので感度も高く途端に身体が熱くなる。ちゅっと音を立てて降らせられる口付けは煽る様に耳ばかりを攻めて直に感じる息使いと艶めく音に身体の芯がぞくぞくしてくる。
「あ…、ぅン…おうじ…は、こんなの…好きなん…ですか…っ…」
もうすでに涙目の瞳で椿が聞いてくる。ぴるぴる耳が動くのが堪らない。
「バッキーが可愛いからね」
「…っは、ぁ…」
背中に落とされる口付けは跡を残してあちこちに移動する。残す程自分の所有物である様な気になるのは錯覚だろうか、と可愛い愛犬を腕に閉じ込めてジーノが愛しそうにその腕に力を込める。
まだ耳と背中へしか愛撫していないのに先の余韻も手伝ってか椿のものが緩く芯を持ちはじめたのがわかりジーノは後ろから体重をかけて椿を四つん這いにさせる。
「あ、んっ…」
椿からとろりと溢れてきたもので解し、先にしたばかりなので割とするりとジーノが侵入してくる。ゆっくりと律動をはじめて、目の前にある揺れる尻尾に触れると四つん這いなので自分を支える椿の腕が震えてくる。
「んぁッ、…っく…ぅ」
「やっぱり神経あるから不思議だね。あと何で生えるんだろう」
ジーノの言葉は耳に入ってくるものの椿に考えるのは無理そうだった。いつもとはまた別の溶けそうな感覚にびくびくと身体が悶える。律動もより激しくなって、かくんと腕の力が無くなりベッドへと上半身が沈む。
「…は、はぁっ、…っは…ぁ」
息苦しいので顔だけ横へ向けて熱い吐息を漏らす椿にジーノが口角を上げる。
「ピッチでのスタミナはどうしたんだい?ほら」
「んっあ…ッ」
少し意地悪く言い放ち突き上げると椿が高い声を上げ潤んだ瞳から涙を零しながらジーノを振り返る。その表情だけでもかなり煽情的だったが
「王子…が…上手い…からっ、も…、だ…め……っ…す」
他を知るわけでは無いが自分を確実に快楽へ導く行為にぽろりと口から出た言葉は荒い呼吸で困った様な堪えてる様な表情で言われジーノが動きを止める。
「……ッや、……大…きっ」
「煽るね、バッキー」
自分の中で質量を増したジーノに椿は膝までがくがくと震えてくる。
いつの間にか余韻は余韻でなくなり甘い痺れと熱を身体に駆け巡らせる。
「ふ、…ぅん、あ、あッ、……王子っ」
上から覆い被さるジーノの息がふわふわ揺れる白い耳にかかり、ぴくんぴくんと何度も反応する。
「可愛い」
口付けてはつい何度も口にしてしまう単語。何度言っても言い足りない程、可愛いくて愛しい。
「…っ、あ…あっ…王子っ……も、だ…め、イ…く…ッ」
「…っ…バッキー、可愛い…イかせてあげるよ」
そう言うと椿の限界も近くぴんと立った耳をジーノが甘噛みすると身体をしならせ椿が達して、ジーノも同じくして果てた。
「で、どうしたら良いですか…コレ」
立て続けにシたのでふらふらしながらシャワーを浴びて来た椿が困った表情をして先にシャワーを浴びたジーノに尋ねる。(一緒に入りたかったがすごい勢いで遠慮された←笑)
まだ半乾きの耳と尻尾が水気を飛ばそうとぴるぴると跳ねていて、やっぱり可愛い。
簡単に着替えて椿を待っていたジーノは、お風呂から出て来た椿をバスタオルで包んだ。一緒に入ってくれない代わりの楽しみの一つだ。「濡れますよ」と頬を赤らめる椿に「構わないよ」と耳へ口付ける。ぴくっと感じてる乾きかけの白い耳にやはり口角が上がってしまう。
そしてバスタオルで頭からすっぽり椿を覆って
「これ取ったら無くなってるかも知れないよ」
「いや、…だから手品じゃ無いんだから…」
少し前と同じやりとりに苦笑する。とはいえ絶対に消えて欲しい。
(消えないと…明日からどうしよう)
怖い考えにぎゅっと目を閉じる。
バサリとバスタオルが取られる。
さっきぱっと現れた様に今度はぱっと消えて…
「−−っ!消えて無いです!!」
「あれ?おかしいね」
そんなに上手くいくわけ無い??
思考をショートさせて頭の中が真っ白の椿は動きも止めて固まっていた。
おわり