本 ジノバキ
□君が一番
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明日はオフだった。
そのせいか今日の練習はかなりキツかった。片付けにも少し足元がふらふらした。
それでも椿はボールを持つともう少し蹴りたくなった。
「つーばき!今日はもう帰れよ」
身体休めるのも仕事!と心の内を見透かされ、ビシッと達海に釘を刺される。ボールも没収〜と持ってかれた。バレバレなのが恥ずかしい。
名残惜しそうにグラウンドを見つつ「ウッス」と頭を下げた。
小走りにロッカー室へと帰ろうとする椿にいつの間にか隣に来ていたジーノが話かける。
「王子、お疲れ様です」
速度を緩めジーノに合わせる。
「お疲れ。バッキー、明日はオフだけど暇?」
「は、はい。特に予定は…」
「じゃあ、着替えたらこのまま僕の家においで。夕食、御馳走してあげるよ」
予定はないです。と言うより先にジーノによって予定を埋められる。
これもいつもの事なので馴れてきた。
ジーノの誘いも嬉しいので、すぐに了承の返事を返せば車で待ってるね、とロッカー室へ向かった。
シャワーを早々に浴びて、帰り支度を済ませてジーノを待たせてはいけないと、急いでロッカーを出る。