BASARA

□二
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脱走経路で屋敷から逃げ出し、予定の時間になった。
時計の秒針がぴったり重なったときに、私達の前に黒い大きなバンがとまり、扉が勢いよくひらく



「今日もお疲れさん!さあ乗った乗った!」



前田慶次くんが中から笑顔で迎え入れてくれる
元親は慶次くんとハイタッチをして後部座席へ乗り込み、座席をのけた
そして中部座席から出てきた伊達政宗は綺麗な笑顔をみせ、手を差し出した



「ほらよ、乗りな。Hurryup!」



「政宗……、ありがと」



手をつかみ乗り込む。扉を閉めた瞬間、発車した。



元就の所有物であろうこの車は邦楽のロックが流れてる
きっと前田くんに流せと言われたんだろうな。
理由は元就をみればわかる。
彼は今、とってもイラついてるから
それに運転がいつもよりあらいし、助手席にいるチワワのチャコが珍しく騒がしくない(いつもはうるさく吠える)



イラつかせてる張本人は気づかずに元親とお酒の話。
なかなか手に入らない芋焼酎が入ったから飲みにこいよ、とか日本酒巡りいつ行こうかとか



そして、私の隣にはいつもどおり頭を撫でてくる政宗と……



「……」



唯一今回の仕事を成し遂げた、赤髪が印象的な彼、風魔小太郎が座ってた




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