BASARA
□二
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-佐助-
「ちょーっと失礼するよー」
多くの警官が出入りする部屋で俺様はまっすぐ窓へ向かう
外の景色を眺めてから、お館様の方をみる
「ここから、だったよねー」
彼女のいた場所、目のあった場所
泣きそうな顔をして去ってったのを俺様はみてた
なんで、あんな表情をみせたのかはわからないけど
「佐助!!」
「はいはい、旦那。今いきますよっ
と」
彼女は俺様達と同じ警官。
内部で働く数少ない女子の一人で、優秀とはいわないけどこれから先が楽しみな子だ
同じ警官専用の寮に住んでて、普段は一緒の部署で仕事をしてる
そんな彼女が騙し屋だなんて思いもしないんだろう、お館様も旦那も。
内部で働きながら裏切り続ける彼女を知りながら、俺様は見て見ぬふりをする
彼女も知ってる、裏切りを知ってても絶対に俺様がばらさないこと
「微妙な関係ってやつだねぇー、
そんな関係を何年も続けてる俺様ってば一途ー」
*
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