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□ねぇ、呼んでよ?
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薄桜鬼 沖田総司
君が呼んでくれるまで、僕は何度でも君を呼ぶよ。
この、場所にね。
「これで、稽古はお終い。お疲れさま。」
ありがとうございました!!と、見た目は女性のような“彼”に隊士達は挨拶をする。
彼に絶対敵わない隊士達の服装はボロボロで……なんだか可哀相。
僕の稽古の後みたい。
「お疲れ様。
悠も、手加減できないんだね?
はい、これ。」
「え?あぁ沖田さん。
手ぬぐいありがとうございます。
……手加減なんてしたら稽古の意味がないですよ。」
そんなことを言いながら笑顔で返してくれる“彼”は、僕の名前を一度も呼んだ事がない。
斎藤君のことは、一
平助のことは、平助
左之さんのことは、さの
ちゃんと名前で呼ぶのに、僕のことは“沖田さん”
一線引かれてるようで、嫌なんだけどーー
僕の気持ちに“彼”は気付いてないらしい。
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