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□きっと、きっと。
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「じゃあねー」
君の声の方へと顔を向けると、友達に笑顔で手を振る君の後ろ姿。
教室からでて、帰ろうとする彼女を見つめる。
完全に姿が見えなくなってから俺はまた、掃除の続きをする。
「早く告りゃいいだろーが。なにグズグズしてんだよ。」
「…うるせぇ、別にそんなんじゃねぇよ。」
ニヤニヤと笑うコイツは毎日のように告白しろと五月蠅い。
…全く、俺の勝手だろ。
告白するもなにも、話した事もないってのに。
「早くしねーと、とられるぜ?」
「う・る・せ・え」
よく考えてみれば、この会話の後に彼女に一言でも言えてれば
何か変わってたのかもしれない。
…もう遅いけど。
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