Both sides

□Episode 3
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準決勝を前日に控えた夕方。



「失礼します。」



奏多は部活が終わると早々と部室を後にした。



「奏多、どこに行くの??」


「ちょっと用事。じゃあね、天馬。」


「あ、うん…」



簡単に説明をして、天馬に手を振る。



「行っちゃった…」


「天馬〜!今から河川敷で練習しない?」


「う、うん!いいよ!!」


「私も行く行く!」




















奏多が行った先は、病院だった。


病院の自動ドアに迎えられ、エレベーターで上へと上がる。


病室の名札を確認しながら歩いていき、一つの名前を見つけてドアを開く。



「やほー。」


「…っ!奏多!!久しぶりだね!」


「うん、元気にしてた?」


「うん!今日は快調だよ。」


「全く変わってないね…太陽は。」



そういうと奏多はベッド脇にあった椅子に腰掛ける。



「次の対戦相手、どこか知ってるよね?」


「もちろんさ!雷門だよね?あそこは天馬がいるから、きっと強いよ…!!」



と、太陽は目を輝かせて話す。


まるで無邪気な子供のようだ。



「太陽。」


「何?」


「私さ…今、そこにいるんだよね。」


「…えっ?」


「何?何か変??」


「それ…ほんと?!あの、雷門に?!」



そういうと、太陽はさらに目が輝く。



「うん。しかも、選手としてね。」
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