Both sides

□Episode 5
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「なんだ…!この化身は…?!」

「魔神ペガサスよりも、強い力を感じる…!」

「そして、天馬がこの試合に懸ける思いを…!!」

「さすが…天馬だよ。」


太陽は一つ、小さな冷や汗を地面に落とす。
それほどまでに、天馬の化身の影響力はすさまじいものだと物語っている。


「これが…天馬の気持ち…決意…」


奏多は胸に手を当てて、大きな化身を見つめる。
なんて、澄んでいるのだろう。



太陽はゴクリと生唾を飲み込んだ。


「こうでなくっちゃね…!天馬!!」

「いくぞ!太陽!!俺は太陽を越えてみせる!!」


天馬は太陽に向かって突っ込んでいった。
太陽も自身の化身を出して対抗する。
二つの純粋な思いが、ぶつかり合ったとき。
その思いは周りの人々をも感じられるくらい大きくなった。
勝ちたいという気持ち。
守りたいと思う気持ち。
負けられないという意志。
そして、なによりも
楽しみたいと思う気持ちが。
奏多は、頬に静かに水の筋を作っていた。
二人の化身は互いに対立し、分かち合った。
そんな光景を間近で見たのだから。
二人の気持ちが当たるように届いたから。
そして、


「うおおおおおおおお!!」


天馬は空高く飛び上がった。
意志でできた鮮やかで綺麗な翼は、天馬を空へと連れていく。
太陽はそんな天馬を、嬉しそうに、そして少し悲しそうに見ている。


「天馬…もう君は僕にはいけないところにまで、いったんだね…」


友の、ライバルの成長を心から祝福している。
天馬は翼に体を任せ、シュート技を繰り出す。


「見ていて、太陽!そして奏多!!これが、俺の答えだ!

ジャスティスウイング!!」


天馬が蹴りだしたボールはゴール一直線に向かっていく。
佐田は化身を出そうと気を溜めるが、進化した天馬のシュートは止められず、ゴールに鋭く突き刺さる。
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